夫や妻への不満や気持ちの伝え方
夫婦なら、やはり一緒にいると不満というのはどうしても出てくるものだと思います。
それを受け入れる・・・という選択肢もあると思うんです。相手を受け入れてしまう。そういう人なんだと諦めること、それも1つの愛情の形だとは思います。
でもどうしても諦められない時があります。それは自分の中にすでに何かしらの感情を抑圧している時です。一度抑圧した感情というのはやっかいなもので、心にずっと残っていることがあります。
本当はそこで考え方を変える・・・ということが一番よいのだとは思いますが、それができない時もあります。
でも僕は「伝える」ということも人間関係では大切なことではないかな・・・と思うんです。
怒りや不満は何故伝わらないのか?
怒りや不満というのは何故相手には伝わらないのでしょう?
それは本当の気持ちを隠しているから・・・だと思うのです。怒りという感情の裏には何があるか・・・それは、きっと「悲しみ」だったり「寂しさ」だったりすると思うのです。
その裏にある本当の気持ちを伝えないで、相手に何をどう伝えようと思ってもなかなか伝わらない。それは自分が素直になっていないから・・・かも知れません。
人はどんな時に人の話を素直に聞き入れることができるか・・・と思うと、それはやっぱり相手も素直に話してくれた時だと思うんです。つまり、自分が素直でなければ、相手も素直にはなれないわけで。
自分の気持ちを隠したままでは、相手もとても素直に受け入れることはできないと思うのです。
夫が最近友人との飲み会が重なって帰りが遅くなった妻にこう言います。
「いい加減にしたらどうだ。もう独身でもないのに、遅くまで飲んで。(怒)」
妻はこう言います。
「あなただって、会社の付き合いとか言って飲んでくるじゃない。(怒)」
どちらが問題ですか?
どちらも・・・でしょうか。夫婦喧嘩は売る人と買う人がいなければ成立しませんから・・。
でも夫が怒りで隠していたもの・・・それは、「自分のことを放っておかれたようで悲しかった」という気持ちだったのかも知れません。
妻が感じたのは、「自分のことをもっと大切にして欲しい。好きなことをたまにはさせて欲しい。」ということだったのかも知れません。
最初に夫が自分の悲しい、寂しいという本当の気持ちの部分を伝えようとしていたら、妻も素直に「ごめんね。最近は遅くなってばかりで。」と言ってくれたかも知れません。
相手に伝える時は、もしかしたら、相手をどう思ったか・・・ということを伝えるのではなくて、自分がどう感じたのか・・・ということを伝えるといいのかも知れません。
「自分の気持ちに素直になんてなれません!」
そんな風におっしゃる方もいるかも知れません。特に付き合いが長くなってくると。でも、軽い感じでもいいのかも知れません。「そう言われちゃうと、寂しいな~」とか・・。
相手に伝えたい時ほど、自分の感情の裏にあるものを見極めて、伝える工夫が必要なのかも知れません。
自分の本当の気持ちに気づくだけでも楽になれる
僕はどちらかと言うと、「先ほどの自分の気持ちに素直になれないタイプ」なのかも知れません・・(笑)、でも、自分の感情の裏にある本当の気持ちに気づくだけ・・・でも心はすっと楽になるような気がしています。
「怒り」の裏にあるものが「悲しみ」だったとわかると、少なくとも、怒りで隠す必要もなくなるので、心はちょっとだけ楽になれます。
怒りを取っ払ってしまって、見えてくる「悲しみ」や「寂しさ」という本当の気持ちは、それを認めてしまうことで自分を一歩前に進ませてくれるような気がします。
勿論、すべてがそれで解決するわけではないですが、その気持ちを認めたことで、相手を諦めることができたり、自分はどうしようか・・・と自分がやるべきことに気持ちが向くものだと思っています。
摩擦が人を丸くする
人はそれぞれ価値観も違うし、考え方も違います。捉え方も違うので、当然、感じ方というのも違ってくると思うのです。
そんな人が出会って、夫婦になる・・・そして、一緒に生活してゆくわけで、勿論、何も起きないまま幸せな一生を送りました・・・というご夫婦はいないのだと思います。
その二人の考え方や価値観の違いが摩擦になります。でもその摩擦はヤスリのようなもので、自分のとがった部分を削ってくれます。
そうやってとがった部分が摩擦で削られてゆくと、人は「丸くなる」のかも知れません。例えるなら、人は皆、宝石の原石のようなものなのかも知れません。最初はゴツゴツしていて、あまり輝いていない。
でも、それが摩擦によって削られてゆくことで、その宝石は光り輝くことができます。
自分以外の人というのは、そういう意味で自分を磨いてくれる存在なのかも知れません。
夫婦関係で悩むことも、苦しむこともあるかも知れません。でも、それは自分がこれから輝くために今、摩擦が必要なんだ・・・と、そう捉えることで気持ちは少し楽になれるのかも知れないと僕は思っています。