本番前の緊張や怖さ、プレッシャーを克服するたった1つの方法
本番を前にして緊張し過ぎたり、怖くなってしまって、ガクガク震えてしまったり、思うように体が動かなくなってしまう・・・そんなことがあるかも知れません。
音楽学校でピアノを弾いている方から「緊張しないようにするにはどうしたらいいでしょう・・・」と聞いていただいたことがあります。
ピアノに限らず楽器を人前で弾く時であったり、スポーツでも本番の時にひどく緊張してしまって、実力を全く発揮できなかった・・・という方もいらっしゃるかも知れませんね・・。
僕は音楽の専門家でもなんでもありませんが・・・ただ、緊張に打ち勝つ方法があるとしたら、こんなことなのかな・・・と思うことがあります。
人は自分のことを考えた時に緊張する
人は自分のことを考えた時に緊張するようにできているようです。
だから、例えば、大会などでよい結果を出そうと思うと、1位になろうと思ったりすると・・・ひどく緊張します。
同じようによく思われたいという気持ちであったり、評価されたい、すごい演奏だったと思われたい・・・というのもすべて自分のことを考えていることになるので、余計緊張する結果になりやすいです。
じゃあ、どうしたらいいのか・・・というと、自分のことを考えなければいい、ということになります。
勿論、緊張に勝つためには、それなりの練習を重ねてゆく必要があるとは思います。スピーチなどで緊張する・・・という方は殆どの場合、本番を想定した練習をされていないか、その練習が十分ではないようです。
ある音楽家の方が発表会などでは実力の2、3割程度でできるものを演奏するといい・・・とおっしゃったそうですが、そう考えたら、気持ちも楽になれるかも知れませんね。
そう考えてゆくと、大事なのは本番というよりも、実力に直結してくる練習の方なのかも・・知れません。
もっとも、音楽学校に通っている方であったり、プロを目指している方はそうもいかないとは思います。そういった方はもう実力は十分にあって、問題はその実力をどう発揮するのか・・・ということになるのかも知れませんね。
避けるより、目指すとうまくいく
今度は少し具体的なことですが、人は避けるのが苦手で、目指すとうまくいきやすい・・・という特徴があるようです。
つまり、○○しないようにしよう・・・という風に避けようとすると、うまくいきません・・。演奏なら、「ミスしないように・・・」は避けようとしていることになるので・・うまくいきません。
何故避けるのが駄目なのか・・・ということなのですが、多くの場合は、「どうやって避けたらいいかが具体的にイメージできないから、実践できないから」です。
ミスをしないように・・・これも具体的にミスをしないために本番で何をすればいいか・・がイメージできません。
できないことをやろうとすると・・・そう、緊張します。
じゃあ、目指す・・・ということですが、例えば、この曲の力強さをこんな風に表現しよう・・・とか。何でもいいのですが、具体的にイメージして実践できることを目指すと、うまくいくことが多いです。
スピーチなんかでも、緊張しないようにしよう・・・というのは避けていることになるので、余計緊張しますが、一番後ろの人に聞こえるような声で話そう・・・というのは目指していることになり、具体的に実践できるので、そこに気持ちが向かいやすく、緊張し過ぎないで済みます。
感謝の気持ちで本番に臨めば怖くない
緊張を通り越して、怖くなることもあります。
そうなるともう、生きた心地もしません・・。
でも、どんなことでもそうですが、感謝の気持ちで本番に臨めば怖くない・・・僕はそう思っています。
楽器の演奏もそうなのかも知れません。
そこで演奏できることの感謝の気持ちを持って、本番に臨めば怖さは薄れてゆくかも知れません。
ひどく怖がりな女性がいました。
彼女は停電になったりすると、悲鳴をあげて怖がるほどの人だったんです・・。
でも、そんな彼女に子供が生まれました。
もう可愛くて可愛くて、大事に育てたそうです。
ある日、停電になりました。悲鳴をあげて赤ちゃんをビックリさせたのでは・・・と思ったら、怖くはなかったそうです。彼女はすぐに赤ちゃんを抱きかかえていたそうです。
何で彼女は怖くなかったのか・・・それは、まず、自分じゃなくて、子供のことを思ったからだと思います。
僕は楽器にしてもスポーツにしても何にしても自分のためにやるべきだと思うんです。
だけど、最後の最後、本番だけは、自分がその楽器を弾くためにそれまで支えて来てくれた人達のことを思って演奏してもいいのかも知れません。
誰かのことを思って、誰かに感謝の気持ちを捧げよう、誰かのために演奏しよう・・・そう思った時に人は、恐怖さえ手放せるように思います。
勿論、緊張はゼロになりませんし、そうなってしまったら大変です。
緊張はよいパフォーマンスのためには必要なことです。オリンピックのような大きな大会では、世界新記録が出ることが多いですが、それは緊張が良い結果を生んでいる証拠だと思います。
だから、緊張は悪者ではありません。それは心がその本番に向けて準備をはじめた証拠です。緊張したら、「あ、これこれ、心が準備してくれてるんだ」と思ってみるといいかも知れません。
緊張はあるがままにして、そのパフォーマンスを具体的に誰にどのように伝えたいのかを考えること、そして、そのことに一生懸命になれば、過度の緊張の「過度」の部分や怖さは捨てられると思います。
これから本番を迎える方がいらっしゃいましたら、うまくいきますように。