嫌なことや苦しみから立ち直った人がやったこと
色々な方々の体験やお悩みをお聞きすることがありました。
そういった苦しみから立ち直られた方々のお話をお聞きしていると、ある共通点のようなものが見えてきます。
立ち直れた人がやったこととは?
悩みや苦しみから立ち直った人、もう大丈夫だと言って下さった方々が僕に話してくださったこと・・・それは、
「こんなことがあってよかった」
・・・ということなんです。苦しんでよかった・・・なんて普通は言えないことです。でも、その方々はそう言ってくれました。
その方々がやったこと、それはマイナスな出来事のプラス側を探そうとした・・・ということだと思います。
物事というのは必ず裏と表があるものだと僕は思うんです。
つまり、何かが起こっても、それは決していい面だけではなくて、マイナスな面もあるわけです。
そして、逆も同じです。何かネガティブなことがあっても、失っただけ・・・なんてことはなくて、失ったと同時に何かを得ているのだと思うんです。
僕は30歳の時にリストラにあったことがあります。それそのものは悲しい出来事だったし、それは僕を何年も何年も苦しめましたが、僕はその経験をしたことで仕事が苦になることがなくなりました。
当たり前は当たり前ではなかった。仕事ができることは本当はありがたいことだったと気づいてからは働くことが楽しくなり、あれからずっとその思いで仕事をさせていただいています。
苦しんだこと、辛かったことが自分を救ってくれる
苦しかったこと、辛かったことが逆に自分を救ってくれることはよくあります。
例えば、カウンセラーの方々の中には自分自身が苦しんだ経験を持つ方が大勢いらっしゃいます。その経験そのものはネガティブなことだったと思うのです。
でも、その経験がなければ、カウンセラーになろうとされなかったのかも・・知れません。
カウンセラーの方々の喜びの1つは相手に喜ばれることだと思いますが、そういった喜びも自分のその経験がなければなかったかも知れません。
患者さんの気持ちも自分がそういった経験をしなければ、心からわかってあげることができなかったかも知れません。
本当の意味で人を救うことなどもその苦しい経験がなければできなかったのかも知れない・・・と。
自分が苦しんだこと、辛かったことは確かにマイナスな経験ではあります。でもプラスも勿論あって、少なくともその苦しんだ経験は自分を「わかってあげられる人」にしてくれると思うんです。
例えば、孤独は人に優しくありたいという心を与えてくれるものだと思います。
苦しみは・・・少しだけ「人の心の痛みがわかってあげられる人」に自分をしてくれるのかも知れません。
本当に人を救える人がいたとしたら、その人は、そういう「痛み」を沢山持っていて、だからこそ、人の心の痛みもわかってあげれらるのだと、僕は思うのです。
少し前に、Mさんという方が僕にメールをくださいました。そのメールにはこんな一文が添えられていました。(Mさんに許可をいただいて掲載します)
「抱えるものが大きいほど、それによって得られるものも大きいものなのかもしれません」
とても勇気がわいてくる言葉だと・・・思ったのです。
Mさんは「こんなことがあって・・・」ということは一切話されませんでした。
でも、きっと色々なことがあったのではないかなと思ったんです。僕がすごいなぁ・・と思ったのが、今ご自分が大変な思いをされている最中にそう思われたことです。
もしかしたら、そう思うことで、つまり、苦しんでいる最中からこれによって得られるものは何なのかな?と探そうとすることで、その苦しみは苦しみではなくなったりすることがあるのかも・・・知れません。
人は失って得るようにできている、そういうことなのかも知れません。