強い心を持つ、心の強い人になる方法とは?
弱い自分を変えたい。強くなりたい。
例えば、そんな風に思うことがあるかも知れません。
ところが、そう思うほど、強くなろうとすればするほど、むしろそんな自分から遠ざかってしまったりする。
強さというのは、不思議なもので、強くなろうと思っても手に入らないものなのかも知れません。
強い心を手に入れるためには、どうしたらいいのか?
今回はそんなことについて考えてみたいと思います。
強さとは「弱さを受け入れる力」
強さというものは、誰にも負けない何かを持っていることだと、僕はずっとそんな風に思っていました。
ただ、誰かに勝とうとして一生懸命頑張って、努力して、そして、自分の方が勝っていると、そう思えたとします。
誰かに勝つことで得る強さというものもあると思うのです。
ところが、そうやって誰かに勝つことが強さだと思っていると、負けることが怖くなったりすることがあります。
誰かに負けるということは弱い自分になるということで、だから、負けないようにしていなければならなくて、いつもどこかで自分を守らなくてはならなくて。
そのために、自分を守るために身に付けるものがプライドでもあるのかも、知れません。
もっとも、プライドというものは大切なものでもあって、ただ、ここでいうプライドとは、高すぎるプライド、持っていることで自分が苦しくなるプライドのことになります。
先程、強さというものは、誰にも負けない何かを持っていることだと思っていたと書かせていただきました。
今は少し、違うことを思っています。
強さとは弱さを受け入れることを言うのではないか、と。
もっと言うと、強さとは、「自分の弱さを受け入れる力」ではないか、と。
強くなりたいのに、自分の弱さを受け入れるなんて、矛盾しているかも知れません。
ただ、誰かに勝つことで強さを得ようとしていると、負けることが怖くなって、いつも身構えてしまうようになることがあります。
そんな時、誰かの何気ない一言に動じてしまったり、誰かの言葉に大きく心が揺れてしまったりすることがある。
ところが、自分の弱さであったり、自分の欠点であったり、そういった強さだけではなくて、弱さも持ち合わせている等身大の自分というものを受け入れてしまった時・・
自分を偽る必要も、大きく見せる必要も、または誰かにこう思ってもらわないといけないという気持ちを持つ必要もなくなったりします。
等身大の自分を客観的に見れていると、誰かに何かを言われることが怖くなくなってゆきます。
また、自分を(自分の強さも弱さも)受け入れているので、誰かにどう思われるか・・ということがそんなに気にならなくなってゆきます。
自分の弱さというものを客観的に捉えたり、等身大の自分を受け入れることは、とても、勇気のいることだと思うんです。
少なくとも以前の僕にとってそれは、自分は弱いですと認めることであって、とても怖いことでした。
ところが、その自分の弱さを受け入れてゆくと、不思議と、怖くなくなってゆく。
自分を誰かほかの何者かに見せようとする必要がなくなってゆく。
両腕を前に出して自分を守っていた頃は怖くて、その両腕をぱっと降ろしたら、怖くなくなった・・というのは、とても不思議なものだなと、思います。
自分のことを思うと怖くなり、誰かのことを思うと強くなれる
人の心はとても不安定なもので、もともと、とても弱いもの・・だと思うのです。
だけど、もし、強くなれる方法があるとしたら、それは誰かのことを思ってみるということなのかも知れません。
人は自分のことを考えていると不安になったり、孤独になったり、怖くなったりするものかも知れません。
でも不思議と、自分以外の人のことを考えている時は怖くありません。
そう考えると強くなるには、自分から外に目を向けるということが効果的なのかも知れません。
例えば、不安な時、怖くなった時、孤独な時、自分のことを思って、これからどうなるのだろうと考えると、その不安や怖さや寂しさはどんどん大きくなっていったりする。
だけど、例えば、自分よりも辛い状況の中、それでも頑張っている人がいる・・そう思ってみると、何だか自分も諦めちゃだめだと、勇気が湧いてきます。
自分以外の人のことを思う時、不思議と、心はふわっと温かくなって、強くなれる。
そんなこともあるようです。
誰かを守ろうとすると強くなれる
少し話は変わりますが・・
すごく怖がりだった女性がいました。
彼女は停電になったりしたら、もう悲鳴をあげるような、そんな人。
ところが、そんな彼女も結婚して、子供が生まれました。
ある日、停電になりました。
一気に暗くなる室内・・
ところが、彼女は悲鳴をあげませんでした。すぐに赤ちゃんを抱きかかえていたのです。
人は誰かを守ろうとした時に強くなれるのかも知れないですね。
誰かを守るというのは、例えば、相手の立場になってあげることでもいいし、相手をわかろうとしてみることでもいいのかも知れません。
そうすることで手に入る強さもあるようです。
本当の強さとは、「引き受け」ができるということ
臨床心理学の世界では「引き受け」という言葉が使われることがあるそうですが、多摩大学大学院の教授、田坂広志先生は著書の中で、この「引き受け」が本当の強さを手に入れるためにはどうしても必要なことであると語られています。
「引き受け」とは、どんなことであっても、自分の責任として「引き受け」、そして、それを自分の成長に結び付けてゆこうとする心の姿勢のことを言います。
自分に全く責任がないところで、自分が責められたりすることも、もしかしたらあるかも知れません。
本当は違うのに、自分を悪く言われて、弁解すらできない。
そんなことも起こったりすることがあります。
だけど、それを誰かのせいにするわけじゃなく、これも自分が背負ってきた運命なんだと、自分が乗り越えるべき試練なんだと、その出来事を「引き受けて」、そして、それを自分の成長につなげてゆく。
または、その出来事を今度は誰かのために生かしてみようと思ってみる。
そういう心の姿勢を持とうとしてみることが本当の強さにつながってゆくのかも知れません。
心は傷ついて、強くなってゆくもの
何かが起きて、そして、落ち込んだり、悲しくなったり、または、自分が情けなく思えたりして・・だから、その後に強くなりたいと、強い心を持ちたいと思うことってあるかも知れません。
だけど、そうやって、傷つくことそのものが、心の強さにつながってゆくのだと思うのです。
傷ついた時は辛いけれど、その傷が癒える時に手に入るのが心の強さだと思うんです。
それはほんの少しの強さかも知れませんが、だけど、傷ついて、辛い時間を乗り越えたことが心の強さにつながってゆく。
だから、本当の意味で心の強い人は、沢山の辛い経験を乗り越えてきた人なのかも知れないなと、そう思うんです。
それはまるで筋肉痛のようだな・・と、思ったりもします。
トレーニングをした後に筋肉痛になることってあると思うんです。
だけど、筋肉はその後に強くなる。
心にはできれば・・負荷はかけたくはありませんが、ただ、心にかかった負荷はそのまま、強さに変わってくれるのかも知れません。