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八つ当たりをしてしまうのをやめたいと思った時にできることは何?

おかしな相談室

「会社で嫌なことがあったりすると、自宅に帰ってからつい、夫に八つ当たりしてしまうことがあります。そんな自分を後になって後悔するのですが、わかっていながらそんなことを繰り返してしまう自分もいます。どうしたら、八つ当たりしてしまう自分を変えることができますか?」

おかしな相談室について

何か嫌なことがあって、イライラしていて、つい、夫や妻、家族や友人などに八つ当たりしてしまう・・そんなこともあるかも知れませんね。

誰も完璧ではありませんから。そういう時もあると思うんですね。

そんな時は、素直に自分が悪かったことを認めて、相手に謝るのも大切なことかも知れません。

ただ、冒頭の方のように、そんなことを繰り返してしまう・・ということであれば、何か八つ当たりを繰り返してしまう原因があるのかも知れません。

今回はそんな八つ当たりの原因として考えられるものについて、また、八つ当たりをやめるために必要なことについて、見てゆきたいと思います。

何故、八つ当たりしてしまうか?

何故、八つ当たりしてしまうのか?ということについて、アンガーマネジメントの専門家、安藤俊介さんは自身の著書の中で、「怒りは矛先を固定できない」ことをその理由として挙げています。

これはどういうことかというと、例えば、会社で腹が立つことがあった場合、自分の中に怒り(ある種の欲求不満)のようなものが生まれることがあると思います。

その怒りは、会社で腹が立つことがあったから、感じたわけで、その出来事に関して感じた感情になります。

ただ、怒りには「矛先を固定できない」という特徴があるために、会社での出来事に腹が立ったとしても、その怒りが自分の中にある限り、その怒りは違うところに向かってしまいやすい・・・そんな特徴があるようです。

怒りは自分の中にたまっていくもの

ところで、怒りというのは、自分の中にたまってゆくもののようです。

そして、その心にたまった怒りが一定量を超えると、自分の中にたまった怒りがあふれ出してきて、例えば、八つ当たりをしてしまったりする原因になってしまうことがあります

ただ、心にはある程度の容量があるので、ちょっと腹が立つことがあった位では、その怒りはあふれ出したりはしません。

ある程度、心にためておけるのです。

ただ、その怒り(またはある種の欲求不満)をため込み続けてゆくと、もうため込むことができなくなり、溢れて、そして、自分でもその怒りをコントロールできなくなってしまうことがあります。

そして、それが自分でも間違っていると思いながら、家族などに八つ当たりしてしまう原因になってしまうこともあるかも知れません。

この場合、八つ当たりを繰り返すことをやめるためには、怒りをため込み過ぎないこと、たまってゆく怒りを定期的に捨ててゆく・・ということが必要になってきます。

八つ当たりをしないために、怒りを捨ててゆく

たまった怒りは捨ててゆく必要がある、ということですが、捨てる前に怒りをできるだけ感じないようにするという方法もあります。

どんどんたまってゆく場合は、どんどん捨ててゆく必要もあって、それが追い付かなくなると、また、怒りがあふれてしまってうまくコントロールできない・・・ということにもなるかも知れません。

だけど、たまってゆくペースがゆっくりになれば、そんな簡単にはあふれ出したりはしないし、ある程度、怒りをコントロールできるようになるかも知れません。また、たまった怒りを捨てるペースもゆっくりでいいわけです。

ただ、この怒りを感じないようにする方法もあるのですが、それは自分を変えるということ、自分の捉え方(受け取り方)を変えるということで、時間がかかります。

ですので、できれば、自分の捉え方を変えてゆきながら、同時に怒りを定期的に捨ててゆくということをしてゆくのがいいのかも知れません。今回のようなケースでは。

では、どうやったら、自分の中にたまった怒りを捨てることができるか?

・・・ということですが、やり方は色々あるのですが、怒りはある種のエネルギーなので、そのエネルギーを消費してあげるというのも一つの(効果的な)方法です。

一番いいのは、体を動かすことです。

歩く、走る、泳ぐ・・・なんでもいいですが、体を動かします。

例えば、何だかイライラしている時は、長い階段を見つけて、一気に駆け上がってみてください。

長い階段を駆け上がって、ぜいぜい言っている時にはもう、階段を上がる前のような怒りは感じなくなっていたり、または、階段を上がる前のようなテンションではその何かに対して怒れなくなっているはずです。

何だかイライラしていたけど、運動して汗をかいたら、すっきりして、イライラがなくなっていた。

なんてことも結構ありますが、それは運動することで、イライラというエネルギーが消費されたから、または、汗となって自分の中から出て行ったから・・かも知れません。

定期的に運動するようにしたら、以前のように悩まなくなったという人も案外多いです。

ですので、冒頭の方のように八つ当たりを間違っていることと知りながら繰り返してしまうような場合は、自分の中に怒りがたまっていないか?と考えてみてもいいかも知れません。

また、もし、その場合は、定期的に運動することを習慣にしてみてもいいかも知れません。

怒りがうまくコントロールできないという人の中にも、定期的に運動するようになってから、少しづつ怒りをコントロールできるようになったという人もいます。

ウォーキングは簡単にできておすすめですし、汗をかく運動をするのも効率的に怒りを捨てられるのでおすすめです。

欲求不満への4つの対処方法

怒りのように、心にたまってゆく不満のようなものに対しては、4つの対処方法があると言われています。

1つは「抑圧」。

ため込むということです。怒りをため込むということは、抑圧している・・・ということになります。

2つ目は、「置き換え」。

これは満たされなかったものを別の何かに置き換えて満たそうとすることになります。

八つ当たりは、抑圧した結果、置き換えてしまうことで起こってしまうものかも知れません。

3つ目は、「合理化」。

これは簡単に言うと、満たされなかった欲求を手放すために、自分にとって、何か合理的な理由を考えるということです。

4つ目は「昇華」。

これは、満たされなかったもの、怒りや不満のようなものをエネルギーにして、何かや誰か、または自分自身のために何かを行うこと・・になります。

この4つの中で、一番自分のためになるのは、昇華かも知れません。

1の抑圧も2の置き換えも自分のためにも誰の為にもならないことが多いです。

3の合理化もいいかも知れませんが、4の昇華は怒りを自分のためのエネルギーに変える方法で、感じてしまった怒りを自分のため、または誰かのために生かすことができます。

この昇華というやり方が人類の文明や社会の進歩の原動力になっていると言われています。

欲求不満のようなものは誰もが持っているものだと思います。

人には色々な欲求があって、そして、それは全部はかなえられないわけで、だから、欲求不満はどうしてもあるものだと思います。

大事なのは、その欲求不満にどう対処するか・・?

ということだと思います。やり方を間違ってしまうと、抑圧してしまったり、置き換えてしまって、八つ当たりしてしまう・・・ということにもつながってゆきます。

ただ、例えば会社で悔しいことがあった場合は、抑圧も置き換えもしないで、その悔しい思いを自分を動かす力にする・・ということもできるかも知れません。

欲求不満のエネルギーというのはとても大きなものなので、そのエネルギーを使うことで、普段は(そのエネルギーなしでは)できないようなことができるようになる・・・ということもあります。

これを簡単に短い言葉で言うと、「悔しさをバネにする」ということになると思います。

怒りのような強いエネルギーはそんな風にして自分のために生かす道もあるように思います。