鍵を閉めたか不安。心配で何度も確認してしまう時の2つの対策方法
先日、友人と話をしていたのですが、彼は、外出する際、鍵を閉めたか不安で何度も鍵をかけた後にドアをガチャガチャやって(閉まっているのを確認)したりするそうです。
ひどい時には電車に乗って会社に向かっているのに、鍵をかけたか不安で引き返してしまうこともあるのだとか。
そして、そういったことが頻繁にあるのだけど、どうしたらいいだろうか?と聞いてくれました。
実は、彼のように、鍵をかけたか不安になったり、心配で家に戻ってしまうことが頻繁にあるという人や、帰宅後に鍵を閉めたか不安で、何度も鍵がかかっているか確認に行ってしまうという人は、案外多いです。
そういった経験がない人にとっては、鍵をかけたか不安で家に引き返すなんてことは信じられないことかも知れませんが、本人にとっては非常に大きな問題であることも多いです。
今回は、鍵をかけたか不安になってしまって、何度も確認してしまうような場合、どうしたらいいか?ということについて見てゆきたいと思います。
また、不安というものの仕組みがわかると、不安によって引き起こされている問題(今回のような問題)が改善することもあります。
ですので、今回は不安の仕組みそのものについても少し見てゆきたいと思います。
簡単にできて効果がある2つの対策方法
まずは、鍵を閉めたか不安で何度も家に戻ってしまったり、または、家に帰ってから、鍵を閉めたか不安で、何度も鍵がかかっているか確認に行ってしまうような時の対策方法についてです。
この場合、簡単にできて、とても効果がある対策方法が2つあります。
そのどちらか、または両方を実践することで、鍵をかけたか不安で何度も確認してしまうことがなくなった・・という人もいますので、ご紹介したいと思います。
1)合図を作る
1つ目の対策が合図を作るということになります。
これは心配性の性格を直したい。心配性の治し方と場面別の対処法でもご紹介した方法になります。
合図を作るということですが、具体的には、例えば、鍵をかけたら、鍵穴に向かって、1回、指を指して「OK」と言う・・といった「鍵をかけたよという合図」を作っておきます。
この合図の作り方ですが、ポイントが2つあります。
1つは、体を使った合図であること。(指を指す。OKと口に出す、など)
頭の中で何かを行うのではなく、体を使います。
これは、体を使って、頭(不安)をコントロールする方法・・・とも言えるかも知れません。
不安そのものをコントロールしようとするのは時にとても難しいことでもありますが、そんな時は体を使ってみると、不安をうまくコントロールできるようになることがあります。
先ほど、ご紹介した指を指して「OK」と言う・・・というのも、閉め忘れたのではないか・・という不安を抑えてくれる効果があります。
2つ目のポイントですが、1回だけ行うということになります。
これは後ほど、不安の仕組みについてのところで、ご紹介しますが、不安は確認を繰り返すと、大きくなる・・という性質があります。
だから、せっかく合図を作っても、不安だからと何度もその合図を行うと、それは言い換えると確認を繰り返すことでもあるので、不安が反対に高まってしまうことがあります。
だから、1回だけ、行うのが大切なポイントになります。
だけど、1回の確認だけだと不安だ・・という人もいるかも知れません。ただ、これは大丈夫です。最初は不安になるのですが、その後に不安はおさまってゆきます。
この仕組みについても後ほど簡単にご紹介したいと思います。
1つ目の対策についてここで簡単にまとめると、合図を作ること。そして、その合図を作る際は2つのポイントがあり、1つは、体を使った合図であること。2つ目は1回だけ行うこと、になります。
2)ルーティーンを作る
2つ目の対策ですが、ルーティーンを作るといいかも知れません。
これも言ってみれば、体を使って心(不安)をコントロールする方法になります。
ルーティーンとは、決まった手順、所作といった意味がありますが、スポーツ選手などは実践している人も多いです。
例えば、プロ野球選手の中には、打席に入って構えるまで、毎回全く同じ所作(動作)を繰り返す人もいます。
これは例えば、野球ではどんな効果があるかというと、
①毎回同じように構えることができる
②集中力が自然と高まる
③緊張や不安を和らげる効果がある
といったことになります。
家の鍵をかけたか不安・・・という際もこれらの効果を不安対策に生かすことができると思います。
鍵をかけたか不安という人の場合、鍵をかける時に不安が原因で、鍵をかけることそのものに集中できていないことが案外多いです。
鍵をかけることに集中できていない・・・なんて、鍵をかけるという単純な作業なのに?と思われるかも知れません。
ただ、鍵をかける際、注意が他に行ってしまっていることが多く、(例えば、また、不安になって戻ってしまうのでは?などなど)鍵をかけるということに集中できていないことが案外多いのです。
あちこちに意識が向いているので、だから、鍵をかけることに集中できず、結果的に、鍵をかけたと確信が持てなくなってしまうのです。
ルーティーンは、先ほどご紹介したように、集中力を高める効果や不安や緊張を和らげる効果がありますから、鍵をかけたか不安というような場合にはうってつけだと思います。
さて、ルーティーンをどのように実践したらいいか?ということですが、ポイントが3つほどあります。
それらは、
- ①同じ動作を行うこと
- ②同じ順番で行うこと
- ③やり直す時は最初からやるということ
・・の3つになります。
例えば、出かける前に鍵をかける時ですが、ドアに鍵が2つあった場合・・・
1)最初に上についている鍵を閉める。2)次に下についている鍵を閉める。3)最後に閉まっているか確認のため、ドアノブを回して押す(閉まっているか確認する)。
・・・という風に、どのような動作をどの順番で行うかを(ルーティーンを)決めて、そして、それを毎回、出かける際に行うようにします。
もし、2)下についている鍵を閉める段階で、隣人からあいさつされて、返事をした場合は・・・また、1)からやり直すようにします。
例えば、就寝前に家の鍵を確認するのが習慣だったとします。
この場合も、ルーティーンを作っておくといいかも知れません。
例えば、洋室 → リビング → 玄関・・・の順番で鍵を確認してゆく・・・ということをルーティーンにするのもいいです。
そんな感じで自分なりのルーティーンを作ることで、集中力が高まり、また、不安も和らぐことで、何度も確認する癖が直ることもあります。
2つ目の対策についてここで簡単にまとめると、ルーティーンを作ること。ルーティーンには集中力を高める効果、緊張や不安を和らげる効果があるということでした。
そして、ルーティーンは、①同じ動作を行うこと、②同じ順番で行うこと、③やり直す時は最初からやるということがポイントになります。
何度も確認する度にどんどん不安になってしまうのは何故?
先ほど、不安は確認を繰り返すと、大きくなる性質がある・・・と書かせていただきました。
これは不安で何度も同じこと、確認を繰り返してしまう。繰り返す不安の消し方でも書かせていただいた不安の仕組みなのですが、不安にはそんな、確認するとさらに大きくなるという性質、仕組みがあります。
具体的には、こんな感じです。
1)不安になる
2)確認する、または何かの行為を行う
3)不安は一時的におさまる
4)また不安になる
5)確認する、または何かの行為を再度行う
6)不安は一時的におさまる
7)また不安になるが、今度は不安が前回より少し大きくなる
8)確認する、または何かの行為を行う
9)一時的に不安がおさまる
10)今度は前回よりもさらにもう少し不安になる
簡単な図にすると、こんな感じになります。
ポイントは、確認した後、または不安を抑えるために何かの行為を行った後に、一旦は不安がおさまるのですが、その後に不安が以前よりも何故か少し大きくなることです。
確認することで、もしくは何かの行為を行うことで(今回のケースでは、鍵をかけ忘れていないか確認に行くことで)、一旦、不安がおさまることも大きなポイントかも知れません。
だから、また、同じこと(鍵をもう一度確認しにいってしまうなどの行動)を繰り返したくなるのです。不安を消すために。
だけど、その後、上記の例だと不安は一旦おさまった後に、また大きくなり、さらに前回の不安のレベルよりも少し大きくなっています。
これが不安がどんどん増えてゆく仕組みです。
じゃあ、どうしたらいいのか?ということですが、こんな風に変えてみます。
1)不安になる
2)確認する、または何かの行為を行う
3)不安は一時的におさまる
4)また不安になる
5)今度は何もしない。不安をそのままにしておく
6)不安は一旦大きくなる
7)それでもそのままにしておく
8)不安は薄れてゆく
違うのは、5)の一度確認した後は、不安になっても不安を放っておくことです。
不安をそのままにしておくなんて・・・という話なのですが、不安は放っておこうとすると、6)一旦大きくなります。
多くの人は、ここで不安に負けて確認に行ってしまいます。
ただ、先ほども不安の仕組みについて見ましたが、ここで確認すると、一度は不安のレベルは下がるのですが、その後、不安はさらに大きくなってしまいます。
ですので、一度確認をしたら、放っておきます。
すると、不安が最初はぐっと高まります。
それでもそのままにしておくと、不安は今度は薄れてゆく・・・そんな仕組みです。
図にするとこんな感じです。
この理由については上記の記事で詳しく書かせていただいているので、今回は省略したいと思います。
ただ、こんな理由から、確認は一度だけにする。または、合図は一度だけ行う・・・ということが重要になってきます。
鍵をかけたか不安・・・という場合も、ここまでご紹介してきたように合図を作る、ルーティーン通りに鍵をかける・・・ということが大事になってきますが、ポイントは一度、それを行ったら、後は昔の癖で不安になっても、それを思い切って放っておく・・ということが大事なポイントになってきます。
最初は、不安はぐっと高まりますが、それでも放っておくと、不安はす~っと、薄れてゆくと思います。