実の親(父親、母親)や兄弟姉妹と合わないと悩んだら
母親や父親と合わない。
または、兄や弟、姉、妹など、血がつながっているはずの家族と価値観や考え方が合わない。
そんな風に感じてしまうこともあるかも知れません。
子供の頃や学生の頃はそうは思わなかったけれど、社会人になってから、または、冒頭の方のように結婚してから、親と合わないと感じるようになった・・という方もいます。
本当であれば、自分の母親、父親、または、兄弟姉妹ですから、何でも話せて、何でもわかってもらえて、お互いに笑っていられる関係でいられたら一番だと思うのです。
それができない、そういう関係ではないというのは、本当に寂しいことだと思います。
ただ、無理に合わせようとすると苦しくなってしまったり、言い合いになることが多くなったりして、関係が悪化してゆくということもあるかも知れません。
そんな時はどうしたらいいのでしょうか・・?
今回はそんなことについて書いてみたいと思います。
家族でも合わない人はいる
メンタリング・コーチであり、心の持ち方について多数の著書を出版されている鈴木真奈美さんは、自身の著書の中でこんな風に語っています。
「息の合う親や子供に恵まれるのは、宝くじに当たるほどの確率といわれています。
たとえ親子であっても、それぞれの役割や世界があるので、合わなくても、なんら不思議なことはないでしょう。
距離をとってもいい、ということです。」
(出典:「幸せな人だけが知っているシンプルな生き方」 p.114 鈴木真奈美著)
鈴木さんは、家族だからといって、無理をして付き合う必要はないと思いますと、付け加えられています。
家族であっても、例えば、自分の実の父親や母親であっても、または、兄弟、姉妹であっても、合わない・・ということも悲しいことだけれど、そんな風に感じることもあるかも知れません。
それは誰が悪いというわけではないのかも知れません。
相手と合うと感じてもそうでなくても、親子の関係、または兄弟、姉妹の関係というのは、特別な関係、特別なめぐりあわせであることに違いはないと思うのです。
何か意味があって、めぐりあったことに違いはないと思います。
ただ、めぐりあわせは特別なものでも、それでも合わないということもあります。
めぐりあわせとは、色々な意味があるのかも知れません。
「血はつながっていても、魂は別」
少しスピリチュアルな話になるかも知れませんが、家族とは、「血はつながっていても、魂は別」・・なんていう風に言われたりします。
そのように思ってみることで気持ちが楽になれることもあるかも知れません。
血がつながった家族なのに・・と思うと、合わないこと、わかりあえないことが悲しくなってしまったり、苦しい気持ちになってしまったり、または、「家族なのだから、こうするべきなのに」と相手に求めすぎてしまったりすることもあるかも知れません。
だけど、血はつながってはいるけど、縁があって、同じ家族になったけれど、魂という意味では全く別の存在なのだ、そう思ってみると、家族なのに・・という思いから少し楽になれることがあるかも知れません。
「兄弟姉妹、親戚は近い他人」
そんな風に教えてもらったことがあります。
そう考えておけば、気持ちが楽になれるでしょ、と。
家族なのだから、というのは、ある種の執着なのかも知れませんね。
お釈迦様は執着を手放せば楽になれるとおっしゃったわけですが、「家族なのだから」「兄弟なのだから」という執着も、「親子でも魂は別」「兄弟姉妹は近い他人」と考えてみると、その執着を少しづつ手放してゆこうという気持ちになれるかも、知れません。
距離を置いてもいい
大人になってから、親と合わなくなってしまったという人もいます。
冒頭の方は、結婚してから親御さんと合わないと感じ始めたそうです。
その方は、結婚してからは自分を成長させたいと、色々な本を読んだり、自分を磨くために色々なことを実践するようになった。
そうやって自分を磨いてゆくことに喜びのようなものを感じていたし、自分が執着していたものを見つけて、そして、手放してゆくことで生きることが楽になっていったそうです。
だけど、そうやって自分を磨いていったら、ご両親と合わないと感じるようになっていった。
ご両親はいつも誰かの悪口を言ったり、誰かのせいにしていて、人のせいにしないと決めた自分とは合わないと感じたそうです。
その女性は僕(筆者)に、「自分の親なのにとは思うのですが、距離を置いてもいいのでしょうか・・?」と聞いてくれました。(※現在は個人的な相談はお受けしていません)
僕は、「そのように感じているのであれば、ご両親と距離を置くのは悪いことではないと思いますよ」と、答えました。
自分が心地いいと感じられる距離、または、自分が笑っていられる距離まで離れてみることは、いくら相手が親であっても、いえ、むしろ、相手が親のようにとても関係が近い人だからこそ、大切なことではないかなと、思うのです。
自分にとって大事な家族だからこそ、笑っていられる距離感を大事にするということは、とても大切なことのように思います。
関係が崩れるのは、大抵が距離が近過ぎることが原因です。
人間関係は、ちょっと遠いかな・・位がいいのかも知れません。
特に大人になってからの人間関係では。
親との関係、または兄弟姉妹との関係も、同じようなことが言えると思います。
自分が成長すると合わなくなる人が出てくる
先ほどご紹介した、鈴木真奈美さんは、人にはレベルのようなものがあって、それは、三角形で表すことができると著書の中で語られていて、上に行くほど、そのレベルにいる人が少なくなってゆくため、合わないと感じる人が多くなってゆくそうです。
自分が成長したり、自分の環境が変わることで、合わなくなる人が出てくることがあります。
冒頭の方もそうですが、自分を磨いて、自分を成長させると、合わないと感じる人(それが、自分の親であっても、自分の兄弟姉妹であっても。または時に、以前仲がよかったはずの友人であっても)が出てくることもあるかも知れません。
人は自分と同じようなライフステージ(心のステージもそうですし、環境という意味でのステージも含めた人生のステージ)に立っている人でないと、なかなか「合う」とは感じることができないのかも知れません。
ただ、人はどんなステージをどのように進んでゆくかはわからないわけで、例えば、親であっても一人の人間ですから、ステージを進んでゆくものだと思います。
そして、自分も。
どのようなステージに進んでゆくかは、わからないわけで、気づいたら、似たようなステージに立っていた・・なんてこともあるかも知れないわけです。
何十年も会っていなかった学生時代のクラスメイト、しかも以前は遊んだこともなかった友人と大人になってから再会して、意気投合。すごく仲良くなった・・なんてことがあるかも知れません。
それは何かの拍子に、同じステージ(環境や心のステージ)にお互いが立っていたから・・かも知れなくて。
何がどのように進んでゆくかはわからないわけで、心も少しづつですが、変化し続けるものだと思います。
先ほどの女性も、いつかは合わないと感じたご両親への思いが少しづつ変わってゆくこともあるかも知れない。
例えば、そんな風に考えてみるのも、「今は距離を置いても大丈夫」と思えるきっかけになったりするのではないかなと、思います。