本当に困っている時に助けてくれない親、友達を残念に思ったら
おかしな相談室
「自分が病気になって、本当に困っていた時に面倒くさがって助けてくれなかった親のことが嫌で仕方がありません。どうしたら、この気持ちを穏やかにすることができますか?」
「私がどうしても友達の助けが必要だった時、いつも頼ってくるその友達は、私を助けてくれませんでした。こんな友達とは縁を切った方がいいのでしょうか?」
自分が本当に困っている時や分かって欲しい時に、助けてくれない、わかろうともしてくれない・・というのは、相手が自分に近い人だからこそ、本当に残念なことだし、悔しいことだと思います。
本来であれば、親ですから、子供が本当に助けを必要としている時には、何があっても助けてくれたらと、思います。
本来であれば、友達なのですから、しかも、普段は相手に頼っているのですから、相手が困った時には、今度は自分が助ける番だと思ってくれても不思議ではないと思います。
だけど、そうじゃないというのは、本当に残念というか、悲しいことだと思います。
今回は、こんな時に気持ちを穏やかにするにはどうしたらいいか?また、頼ってくるのに助けてくれない人とは縁を切った方がいいのか?ということについても見てゆきたいと思います。
思ったことをすべて吐き出すと楽になれる
こんな時は、自分の中に、色々な苛立ちであったり、またはその裏に悲しさであったり、そういったものが沢山たまっている状態だと思います。
その状態は、心がいっぱいになっている状態で、冷静に考えようと思っても、うまくいかないことがあります。
これは自然と消えてゆくものではなくて、心にたまってしまうものなので、まずは、そのたまったものを捨ててしまうと、気持ちはぐっと楽になれると思います。
そのためには、しっかりとした信頼関係のある人に話を聞いてもらうのもよい方法かも知れません。
「話す」ことは「離す」ことでもあると言われていて、話すことで、その心にたまったものを離す(手放す)ことができることがあります。
身近に、または今すぐにそういった話を聞いてもらえる人がいない場合は、紙に自分が思った素直な感情を、一切否定せずに、すべて書き出してみるのもよい方法だと思います。
思ったことをすべて吐き出す・・という意味ではこちらのやり方の方がよいかも知れません。
書き出してゆくのは例えば、
「自分は助けたのに、何故、助けてくれない?」
でもいいし、
「なんで子供が困っている時に面倒くさがるの?!」
でもいいし、もっと強い言葉でも構いません。
こんなこと思っちゃだめだ・・と自分にストップをかけないで、思ったことは何でも書いてゆきます。
これは、紙に書いでもいいですし、パソコンなどにタイプしていってもいいです。
とにかく書いて書いて書きまくります。
そうやって、全部吐き出してしまうと気持ちはふっと楽になれることがあります。
すると、少し冷静に、感情ではなくて理性で考える心の余裕が戻ってくると思います。
友達の「ランク」を下げる
さて、いつもは頼ってくるのに、こちらが本当に困っている時に助けてくれない友達とは縁を切った方がいいか?
・・ということですが、色々なケースがあると思うので、一概に縁を切った方がいいとは言い切れないかも知れません。
また、助けてくれないと思った時は、自分を省みることも、つまり、自分は相手を助けてきたか?と考えてみることも必要なことだと思うんですね。
助けてもらえないのは、助けていないから・・ということも中にはあります。
ただ、そうやって考えてみて、自分は相手が困っている時に手を貸そうとしてきたけど、相手は頼るばかりで、自分が本当に困っている時には助けてくれない・・と思った時は、縁を切るというのも一つの選択肢かも知れません。
ただ、いつでも縁は切れるわけですが、縁を切ってしまったらそこで終わりなので、例えば、まず、その友達のランクを下げることもできるかも知れません。自分の中で。
「友達」というランクから、「知り合い」というランクに下げてみるのです。
これは人をランク付けしましょう・・ということではありませんが、ただ、友達だと思っていると、どうしても相手に期待してしまうものだと思います。
友達なのだから・・と。
そして、それが悩みになったり、苛立ちに変わったりします。
そんな時は、友達ではなくて、知り合いなんだと一旦そう思ってみるのも、相手への残念な思いや苛立ちを手放すことにつながることがあります。
もっとも、一旦、知り合いになっても、また友達に戻れることもあるかも知れないわけです。
ただ、今は、知り合い程度なんだと思ってみることで、気持ちが楽になれることもあるように思います。
親の定義を変える
もし、冒頭の方のように、自分が病気になって本当に辛い思いをしているような時に面倒くさがって助けてくれないような親であったり、自分を見捨てるようなそんな親であれば、一旦、少し距離を置いてみてもいいのかも知れません。
この場合、物理的な距離もそうですが、心の距離もそうです。
どうやって親と心の距離を置けばいいか?ということですが、自分の親の定義というか、捉え方を変えてみるのも一つの方法かも知れません。
例えば、「自分の親」という捉え方から、「自分を育ててくれたおじさん、おばさん」という風に思ってみると、自然と心の距離を置くことができるかも知れません。
これは勿論ですが、親を大切にしなくてもいいということではありません。
ただ、冒頭の方のように病気になってしまって、本当に助けが必要な時に、助けられる状態なのに、面倒くさがって助けてくれない親・・と思うと、本当に残念で仕方がないというか、やるせない思いになるのではないかなと、思います。
親なのですから。自分が本当に困った時位は、期待したって当然だと思うのです。
だけど、そうじゃないと思った時、本当にやるせない思いになるかも知れません。
冒頭の方の質問に戻りますが、その気持ちを穏やかにするには、一旦、相手は「親」ではなくて、自分を産んでくれたおばさん、自分を育ててくれたおじさんなのだと思ってみるのも一つの方法かも知れません。
そう思って、一旦、親御さんとは距離を置いてみるのもいいかも知れません。少なくとも、自分に心の余裕が戻るまでは(病気が良くなるまでは)。
また、もし、親御さんと一緒に暮らしているような場合は、ご親戚の中に自分の味方になってくれる人を見つけて話を聞いてもらってもいいかも知れません。
もっと自由に生きてもいいよ
家族なのだから、友達なのだから。
そういう思いが自分を苦しめることもあったりします。
家族なのだから、多少無理をしてでも付き合ってゆくべきだ。友達なのだから、冷たくしてはだめだ。
例えば、そんな自分の中にある思いが自分を苦しめてしまうこともあります。
それは優しさの一つの形で大切なものではあるけれど、だけど、それでも本当はもっと、自由に生きてもいいのかも知れません。
家族だからといって、無理に付き合ってゆかなくてもいいかも知れないし、友達だからといって、こうしなければならないというのはなくてもいいかも知れない。
「大きくなれ」
これは僕(筆者)自身が何かに悩んだ時によく自分に言い聞かせる言葉なんです。
僕自身、親とは葛藤がありました。
30歳の頃、親の会社に勤めていたのですが、その会社を「出て行ったらどうだ」と言われ、首を切られました。
そのことについて言いたいことを言い出したらきりがありませんが、ただ、一言でいうと、そういう運命だったのかも知れません。
それからよく、
「大きくなれ」
と自分に言い聞かせるようになりました。
今の自分よりも大きな自分になれ。
今の色々な思いを包み込める自分になれ、と。
そして、僕はただ転ぶことが嫌なので、この経験を何かに生かしたいと思い続けてきましたし、それが自分に様々なモチベーションを与えてくれているように思っています。
最後にちょっとしたお話をして終わりにしたいと思います。
寒い日に飲む温かい飲み物は、本当にほっとします。
「あ~温かいなぁ」
と思ったりする。これが暑い日だったりすると、そんな風には思えなかったりします。
寒さを人の冷たさに例えると、その冷たさを知っているからこそ感じることのできる人の温かさというものがあるように思います。
その助けてもらえなかったという悲しさを、自分の本当の味方でいてくれる人、本当の味方になってくれる人のための何かに変えてみる・・という方法もあるかも知れません。