どうやったら感謝して生きることができるか?
感謝して生きることが大事だと、頭では理解できても、感謝できない、感謝して生きる余裕もない。
これは以前の僕でした。ちょうど30歳ちょっとの頃だったと思います。
その頃は全てが一杯一杯で、余裕なんてなくて、体もボロボロ。自分を信じられないから、何か自分を信じさせてくれるものばかり求めていたように思います。
言葉が先、気持ちは後からついてくる
そんな時に感謝して生きることの大事さを教えてくれる本を何冊も何冊も読みました。
だけど、感謝することの大切さは頭では理解できても、その心の余裕がない・・・その時の自分には感謝して生きるなんて、できそうもありませんでした。
ただ、何かを得たら、ここから抜け出せたら、心に余裕が戻ったら、感謝できるのだろうと・・・そう思っていたんだと思うんです。
ところが、そんなことを考え続けているうちにふと、気持ちがあってもなくても、とにかく「ありがたいなぁ」と口にしてみようと、思いました。
言霊(ことだま)と言いますが、言葉そのものに何か不思議な力があるのかも知れないと、思ったからです。
つまり、何か幸せなことが起こって感謝することもあるし、感謝しているから幸せなことが起こる、そんなこともあるんじゃないかなと・・
その頃の自分はもう何をやっても自分をコントロールできなくて、何にでもすがるようにしてやってみよう、実践してみようと思って、とにかく様々なことを実践しようとしていました。
その中の1つが、以前にもお話させていただいたことがありましたが、何もなくても「ありがたいなぁ」という言葉を口にし続けてみることでした。
「ありがたいなぁ」と10回口にしてみます。
すると、何だか気持ちが楽になれました。
だから、毎日「ありがたいなぁ」という言葉を何度も口にすることを習慣にしてみようと思ったんです。
そうやっているうちに面白い発見がいくつもありました。
何もないのに「ありがたいなぁ」・・・なんて口にすると、頭はパニックになって、頼んでもいないのに、「ありがたい理由」を探そうとしてくれるようです。
頭は矛盾したことが嫌いなので、どうにかしてつじつまを合わせようとします。
だから、「ありがたいなぁ」と口にする度に、「ありがたいこと」が見つかったりします。それは笑われてしまう位、小さなことだったりします。
例えば、「今日もコーヒーが飲める」・・・そんな、普通だと言われてしまうかも知れないようなことが、「ありがたいなぁ」と口にしたことで、ありがたいと不思議と感じられたりします。
それを何度か続けていると、当たり前が当たり前ではないことへと変わってゆくことがあります。頭はきっと、やっと苦労してつじつまを合わせたことを覆すのが嫌なんだと思うんですね。
だから、「ありがたいなぁ」と口にすることを続けていると、それまで当たり前だと思っていたことが少しづつ当たり前ではなくなっていったりします。
僕はその当たり前を減らしてゆくことが幸せを感じる1つの方法だと思っていて。
はじまりは、ただ、何もないところから「ありがたいなぁ」と口にすることだったのに・・・それを何年も毎日続けていくうちに、それが自分の本当の気持ちへと変化してゆく・・・
そういえば、お釈迦様もまず言葉を口にすることが大切だとおっしゃっていたことを思い出しました。
感謝した方がいい・・・そう知っていても以前はできませんでした。ただ、自分で自分を追い詰めていった結果・・・何かにすがりたくなった、何かをやらざるを得なくなった。
だけど、そうやってやらざるを得なくなって続けてきたことが、自分を、生きることを、楽にしてくれました。