自分の思い通りに行かない時の不満と感謝の分かれ道
ストレスを簡単に定義しようとすると、「自分の思い通りになっていない状態」・・・ということになるのかも知れません。
自分の思い通りになっている状態が「理想」だとすると、その理想と今という「現実」の差が自分にストレスというものを与えるようです。
そうやって考えてゆくと、ストレスを少なくするには、この「理想」と「現実」の差をできる範囲で、少なくしてゆくことが効果的だと言えます。
方法は2つあると思うんです。
1つは、現実を変えようとすること・・・です。
そのためには、一生懸命頑張ったり、努力したりして、自分や自分がやっていることをできるだけ理想に近づけようとする必要があります。
この方法を選択することで、自分を高めることもできるかも知れません。
でも、逆に頑張り続けていって、もう頑張れなくなる方もいらっしゃって・・・。もし、頑張ってもストレスが改善されないようなら、次の方法を試してみてもいいのかも知れません。
2つ目の方法は、「理想」を下げてしまうという方法です。
今の自分を頑張って変える必要もなくて、ただ、理想を下げるだけで、それだけでストレスは改善されます。
それは言い換えてみれば、自分に甘くなるということなのかも知れません。
でも、頑張ってこられた方にはそれがどうしてもできないかも・・・知れません。ただ、少しだけでも自分に甘くなってみると、それがどれだけ自分を楽にしてくれるか・・・ということに気づかれるかも知れません・・・
不満と感謝の分かれ道
人生は自分の思い通りにいかないことの連続なのかも知れません・・。考えてみたら、自分の思い通りにいったことなんて、殆どなかったりして・・。
自分の思い通りにいかないこと、それが人生なんだと、お釈迦様は遠い昔におっしゃいました。
でも、なかなかそれを受け入れられなかったりするし、どうしても思い通りにならないことに思い悩んでしまうことだってあるのかも知れません。
自分の思い通りになっている状態を100%と表現すると、それでも人生は0%なんてことはなくて、50%とか30%とか、全く思い通りになっていないわけではないように思うんです。
お釈迦様は100%はないと教えられたのかも知れません。それは、0%でもない・・・ということでもあると思うんです。
今が50%だったとすると、大事なのは、ある方の50%に目を向けようとするのか、ない方の50%に目を向けようとするか・・・ということなのかも知れません。
ないほうの50%に目を向けると、途端に不満をもらしたくなります。気分は全然よくならないし、ストレスもたまってイライラしてしまいます。
でも、あるほうの50%に目を向けると、ありがたいなあ・・・と感謝したくなったりします。そっちの方が楽しそうだなと僕は思うんです。
状況は何も変わってはいないのに、「あるほう」と「ないほう」のどちらかに目を向けるかの差でこんなにも気分って変わるんだ・・・と。
楽しい人生を生きるたった3つのコツでご紹介したのですが、40歳になった時に「もう40歳」と考えた人と「まだ40歳」と考えた人では「まだ40歳」と考えた人の方が10年も長生きでした。
「あるほう」と「ないほう」のどちらに目を向けるか・・・は、気分だけじゃなくて、体にも大きな変化をもたらすのかも知れません。
1つの不満と100の感謝
僕は、幸せな人は不満がないから幸せ・・・ではないと思うんです。どんなに幸せな顔をして笑っている人でも、必ず悩みがあります。
その人は悩みがないから幸せなのではなくて、自分が恵まれているほうを見ているから笑っていられるのかも・・知れません。
人の心はもともと、「ないものを探す癖」があります。
だから、不満は簡単に見つかります。1つ不満が見つかります。それは、自分を悩ませるものです。そこには嫌な気分がつきまといます。
そして、それはどんどん大きくなってゆくことがあります。
そんな時に僕がよく思うのが「1つの不満と100の感謝」という言葉です。ある方は1000の感謝とおっしゃっていましたが、横着な僕は100にしてます。(笑)
「1つの不満と100の感謝」
・・・どういうことかと言うと、1つの不満を100の感謝で消してしまいましょうよ・・・ということ・・なんです。
1つの悩みに押しつぶされそうになった時、自分がもっているもの、つまり「あるほう」を100探してゆきます。
そういえば、健康でいれたことを感謝してなかった・・・とか。ずっと寝たきりで好きなこともできないでいる方もいます。
そういえば、仕事もある・・・リストラされて苦しんでいる方だっているはずだ・・とか。
そうやって、持っているのに感謝してこなかった100のことを思い浮かべていくと・・・その大きくて押し潰されそうだった悩みは何だか小さなものに見えてきて、100個目の感謝を見つけた後は、ろうそくの最後の火がふっと消えるように・・・消えてしまうものなのかも・・知れません。
100個も1000個も浮かんできません・・・という方がいらしたら・・・「ありがたいなぁ」を1000回口にしても、もしかしたら似たような効果があるかも、知れません。
人の脳は矛盾したことが大嫌い・・・ですから、突然何もなく「ありがたいなぁ」なんて言ったら大変・・・勝手に「ありがたい理由」を探してきてくれます。
何かが当たり前に思えてきてしまった時、僕は1回1回かみしめるように「ありがたいなぁ」と口にします。何の理由もなく。
面白いことに今まで、苦しい時でさえ、そう口にした後に「ありがたい理由」が見つからなかったことは一度もありません。