好きなことなのにやる気が出ない時はどうしたらいいか?
好きなことなのに、ある日突然のようにやる気が出なくなったり、やりたい気持ちはあるのに、手が伸びない、伸ばした手がそこで止まってしまう。
そんなこともあるかも知れません。
これは意外と多くの方が経験することで、ある種の燃え尽き症候群、またはそれに似た状態でもあるかも知れません。
突然やる気が出なくなることで、自分はどこか悪いのではないかと思われてしまう方もいるかも知れませんが、ただ、殆どの場合※、どこか悪いところがあるわけではなくて、ちょっとしたことで改善してゆくケースが多いようです。
今回は、何故好きな事なのに、やる気が出なくなってしまうのか?また、そんな時はどんなことをしたらまた、やる気が戻ってくるか?ということについて見てゆきたいと思います。
※好きなことなのに、やる気がでない原因にはうつ病などが関係しているケースもあります。その場合は医師、専門家に相談することが大切になってくると思います。
殆どの場合、頑張り過ぎによる疲れが原因
好きなことなのに、やる気が出なくなってしまうというのは、大好きな食べ物なのに、それを沢山食べてお腹がいっぱいになった時にもう一度食べようとしても、食べられない状態・・・にある意味似ているかも知れません。
だけど、少し時間が経って、お腹が空いてくると、また、その好きな食べ物が食べたくなります。
好きなことなのに、やる気が出ない・・・ということの原因ですが、殆どの場合、原因は頑張り過ぎによる疲れで、その疲れが、自分からやる気を奪っていることが多いようです。
「だけど、好きなことで、疲れなんて感じていない。」
そういう方も多いかも知れません。
確かに、好きなことだと疲れたりはしないことも多いかも知れません。
だけど、ここからが問題なのですが、好きなことをしている時、好きなことを頑張っている時というのは、人は「疲れを感じ難くなる」ようです。
好きなことだからこそ、頑張れたりしますし、疲れたとは感じない。感じても心地よい疲労感だったりして。
だけど、ある一定のラインを超えると、自分では感じていなくても、疲れが心や体にたまってゆきます。
このレベルに来ると、少し休んでも、そのたまった疲れがとれない状態になって、だから、「ちょっと休んでみたら?」と言われて、休んでみたけど、それでも、やる気が出ない・・・という状態になることがあります。
好きなことだからこそ、疲れを感じ難く、その間に自分の中では実は疲れがたまっていって、一定のラインを越えた時に、「あれ・・やる気がでない・・」というレベルまで来てしまう・・そんなケースがどうも多いようです。
やる気という「燃料」を足しながら進む
では、こんな時、どうしたらいいか?
・・といったら、できれば、その好きなことを一旦ストップして、他のことを充実させてみることだと思います。
他の何か、他の趣味でもいいですし、前からやってみたかったことでもいいですし、休日にやっている趣味であれば、それを一旦お休みして、例えば、旅に出てみるのもいいかも知れませんし。
とにかく、その好きなことから離れます。
体を動かすのもおすすめです。
歩いたり、軽く走ってみたり。
体を動かすと、体は疲れるかも知れませんが、心にたまったものは捨てることができます。
何でもいいのですが、違うことをしてみる、違うことを充実させてみます。
仕事であれば、少しペースを落としたり、別の仕事に取り掛かってみたり、または、言い方は悪いかも知れませんが、いい意味で、手を抜くと言いますか、力を抜きます。
休むことができたら、休んでみるのもいいかも知れません。
仕事を休むことに抵抗のある方もいらっしゃるかも知れませんが、休むのは、仕事のモチベーションを取り戻すためだと思って、休んでみるのもいいかも知れません。
仕事を休んだり、そこから離れるということは、逃げるようなもので、抵抗がある、何だか自分が情けないことをしているように思えてくる・・という方もいるかも知れません。
ただ、逃げるが勝ちという言葉もあります。
特に、仕事などでは、逃げるなんて言うと、悪いことのように思われるかも知れませんが、限界を超えて頑張っては駄目です。
さて、そうしているうちにやる気という燃料は自分の中にまた貯まってゆきます。
やる気というものは燃料のようなもので、使うとなくなってゆくものだと思います。
だから、足しながら、進まないといけません。
どうやって燃料を足すかと言ったら、言い方は変ですが、じらすのも1つの方法かなと思います。
好きな何か、趣味でもいいですが、もっとやりたいな・・と思ったところで、やめてみます。
自分を変な言い方ですが、じらすわけですが・・・やる気という燃料はじらされると貯まってゆくようです。
したいことがあるのに、できないと、もっとそれがしたくなりませんか?
その状態はつまり、燃料がたまった瞬間だと思います。
もっとも、頑張り過ぎてしまうという方の場合は、もっとやりたいなというところでやめることがきっと、難しいと思います。
だけど、頑張り過ぎてしまう方の場合は特に、もっとやりたいな・・でやめないと、疲れているのに気付かない状態までいってしまって、燃料切れを起こしてしまうことがあります。
そして、燃料切れを起こしてはじめて、あれ?おかしい・・やる気が出ない・・と気づくのです。
だから、やる気という燃料を足しながら、走ってゆく、進んでゆく必要があるのかも知れません。
困ったことに、燃料計のようなものは自分には付いていません。
それがあれば、やめ時がわかるのに・・と思いますが、ただ、もっとやりたいというところでやめておく、または、少しでも違和感を感じたら、すぐにやめる・・という勇気が必要なのかも知れません。
小さなサインは出ているのかも知れません。燃料が燃え尽きてしまう前に。
それは、ちょっとした疲れだったり、なんか少し乗り気がしないな、とか。
そこで「いや、そんなことはない、自分はこれが好きなんだから」・・と頑張ると、やる気が出たりします。やっているうちに。
だけど、それは、燃料タンクに残った最後の燃料を燃やしたから・・かも知れません。
そのリザーブタンク(緊急用の燃料タンク)を使えば、また、やる気はでるのですが、それを使い切ると、やりたいのに、手が止まってしまうところまで行ってしまうことがあります。
だから、そうなる前に、じらし作戦か、または、自分のペース配分をコントロールする必要があるのかも知れません。
自分の心や体というのは、そんな風にして、定期的なケアが必要なのだと思います。
その自分をケアする術を身に付けることも、好きなことをずっと楽しんでゆくためには必要なことなのかなと、思います。
ただ、いずれにしても、少し休むことで、やる気というものは必ず、戻ってきます。
どれだけ燃料を使ってしまったかで、やる気が戻ってくるまでにかかる時間も変わってくるかも知れません。
リザーブタンクまで全部燃やしてしまった人は、少し長めに休まないといけないかも知れません。
だけど、好きなことなら、いずれ必ず、やる気は戻ってきます。
それは間違いありません。
人は成長してゆくことに喜びを感じるもの
話は少し変わりますが、やる気はあるのだけど、何だか、飽きてきてしまった・・前みたいに感動できなくなった・・ということもあるかも知れません。
ある意味、満足してしまったというか。
そんな風にして、何かに満足した時は、もっとできることがある、まだ他に学ぶものがあるというサインなのかも知れません。
脳科学者の茂木健一郎さんは、脳がどのようにして喜びを感じるか・・・ということについてこんな風に語っています。
脳は、少しでも進歩すると、喜びを感じます。
すると、ドーパミンという物質が脳内に放出され、喜びを感じた脳内の回路が強化され、成長するのです。
これを「強化学習」と言います。
こうした脳の学習メカニズムは、歳を取っても衰えることはありません。
だから、いくつになっても脳は成長するのです。(茂木健一郎)
脳は進歩することに喜びを感じる・・ということですが、何かに満足してしまった時は、もう一歩先に進むべき時なのかも知れません。
今の自分ではちょっと難しいかなという何かに挑戦することで、自分を成長させると言いますか、自分が好きでやっていることの何かを進歩させるというか、そうすることで、脳内にドーパミンが放出され、また挑戦したいと思うことがあります。
人は生きているとどんどん経験を重ねて、新しい体験が減ってゆくわけですが、大人になってからは、またはある程度の年齢を過ぎたら、自分自身でそういった新しい体験であったり、挑戦であったり、何かを作り続けてゆく必要があるのかも知れませんね。
そういう意味では何かを楽しみ続けるには、工夫と挑戦する勇気のようなものが必要なのかも知れません。