子供ができなくても、子供がいなくても幸せになれますか?
長い間、子供が欲しいと思い続けて、それでも子供ができなかった方に「子供がいなくても幸せになれるでしょうか・・?」と聞いていただきました。
今回はこの場をお借りして、僕なりに思ったことを書いてみたいと思います。
子供がいなくても幸せなご夫婦は沢山います
僕自身、子供がいません。それについては、子供がいない夫婦として生きてゆくことについてでも書かせていただきました。
小さな子供を見ると、自分も父親だったなら、ああやって手をつないで娘や息子と歩いていたのかも知れないなと、そう思うことは今でもあります。
ただ、ある時から、後ろを向いて歩くことはやめにしようと、そう思うようになりました。
それは上記の記事でも書かせていただいた通り、子供がいないからこそできることを考えて生きていこうと思えたからです。
そう思えている自分は少なくとも後ろを向いて歩いていた頃の自分よりも生き生きとしているし、何か希望を見つけようという力も感じられるようになりました。
少し話がそれましたが、
子供ができなくても、子供がいなくても幸せになれるか・・ということですが、幸せになれると思いますし、幸せにならないといけないのではないでしょうか。
色々な事情を抱えた方もいらっしゃって、辛い治療を続けてきた結果、子供を諦めた方々もいらっしゃると思うのです。
だから、子供がいなくても前を向きましょうとは、気軽には言えないと思うんですね。
そんな簡単なことじゃない。子供を諦めたといっても、気持ちそのものはそんなに簡単に切り替えられるものではないと思います。
だから、幸せになれるから、何も心配いりませんよ・・・とは気軽には言えないものだと思います。
ただ、実際には、子供がいなくても幸せに暮らしているご夫婦は大勢います。
そういうご夫婦は多くの方が思われている以上に、多くいます。
長い間、子供ができなくて苦しんだご夫婦の苦労は他人にはわからないものだと思います。
ただ、そうやって長い間子供を熱望されてきたご夫婦に共通していることがあって、その一つが夫婦仲がいい、ということではないかなと思います。
勿論、例外のカップルもいらっしゃるかも知れませんが・・
ただ、夫婦仲が良くなければ、長い間子供が欲しいとは思い続けることはできないもので、だから、子供ができなくても幸せなご夫婦というのは、多いのかも知れません。
そういう意味では、お子さんがいらっしゃるご夫婦よりも子供がいないご夫婦の方が仲がいいということも多いのかも知れません。
実際に、夫婦の幸せ度に関する調査は世界中で行われているのですが、イギリスの大学が行った調査(英米で5000人を対象に実施した調査)では、子どものいない夫婦の方が、子どものいる夫婦に比べて、夫婦関係に対する満足度が高いという結果になっています。
また、これは以前にも書かせていただいたことで、夢物語だと思っていただければ幸いですが・・
長年連れ添って子供がいないご夫婦は、その前の人生、またはそれ以前の人生(前世)で、何か事情があって、一緒になれなかった二人であるか、または、前世に沢山の子供を育てた二人である・・・そんな話をお聞きしたことがあります。
もし、それが夢物語でなければ・・・長年連れ添って、子供ができない、子供がいないご夫婦というのは、運命的なお二人なのかも、知れませんね。
冒頭の方もそうです。そういう方は、幸せになるべくして、生まれてきたのかも知れないですね。
子供が欲しくて長年苦しい思いをしてこられた方はその辛い思いの分だけ、これから幸せにならないといけないのではないでしょうか。
これは子供のお話だけではなくて。これまで辛い思いをしてきた方は、その辛い思いをした分だけ、これから幸せにならないといけないと思うのです。
「自分達だけが子供がいなくてみじめな気持ちになります」
「自分達だけが子供がいなくてみじめな気持ちになります」
そんな風に話される方もいらっしゃいます。
周りのご友人夫婦には子供がいるのに自分達だけが子供がいなくて、何だかとてもみじめに思えたり、子供がいない自分が情けないと思ってしまう、と。
そう、何だか寂しい気持ちになることってあるものですね。
それは僕も感じることがあります。
だけど、「自分達だけが子供がいない」というのはその方の周りではそうかも知れませんが、実際には子供がいないご夫婦は沢山います。
沢山ってどの位?ということなのですが、これは2000年の統計になりますが、日本国内の夫婦総数は31,394,173組。(国勢調査による統計)
また、国立社会保障・人口問題研究所が行った調査では子供がいない夫婦の割合は全体の6.4%でした。(同じく00年の調査で、子供がいない夫婦の割合は1977年からみると、倍以上になっています)
この調査結果から計算すると、日本には3139万組の夫婦がいる(いた)わけですが、そのうち、子供がいない夫婦の数は、およそ200万組という数になります。
勿論、数値はその時代で変わってくるとは思いますが、これだけ、200万組というご夫婦が他にいるわけです。(もっとも、子供がいない(または子供を作らない)理由は様々だと思いますが)
決して、自分達だけではないです。
また、子供がいる人、夫婦と比べて、子供がいない自分が情けなくなる・・ということですが、そういう風に思ってしまうことがあってもいいと思うんですね。
だけど、ずっと、そう思い続ける必要はないと、僕はそう思ってます。
子供がいれば、幸せだろうとそう思ってしまうことがあります。
そして、子供が生まれたら幸せだと思うんですね。
それは大きな喜びになると思うんです。
だけど、それだけではないと思うんです。つまり、子供が生まれて幸せな人生でした・・・は理想の世界ですが、現実には、その後もあります。
悩みにもいろいろ種類がありますが、「子供の悩み」というのは常に上位に来る悩みです。
お子さんのことでひどく悩んでいる親御さんは大勢います。
また、「子供がいる夫婦は人生に喜びもあるが、ストレスや負の感情も(子供がいない夫婦よりも)多い」と指摘する専門家もいます。
子供がいて幸せそうに見えるご夫婦にも見えないところで色々な苦労があるのだろうと、思うのです。
そういうことを思えば、子供がいない自分を情けなく思う必要はないのではないかなと思います。
また、得たものがあるということは、必ず、失うものもあるものですから、誰かの得たものだけを見る必要もないし、自分が失ったものだけを見る必要もないと僕はそう思います。
子供がいなくて老後が心配、孤独死が心配
少し話が変わりますが、
「子供がいないので老後が心配です」というお話であったり、どちらか一人になってしまった後、身内もいなくて孤独死するのが心配ですというお話をお聞きすることもあります。
今は夫婦二人でどこにでも行けたり、お金も夫婦二人のためだけに使えたりして、いいことも沢山あるかも知れませんが、心配なのは老後のことですよね。
ただ、今は昔の親子三代で同じ家に住んでいたような時代ではなくて、核家族が多くなっていて、子供がいるから老後は大丈夫という時代ではないのかも知れません。
子供がいるから老後も面倒を見てもらえるとは限らない時代だと思うのです。
また、今の高齢者のみなさんはお元気ですから、面倒を見てもらわないといけなくなった時にはもうお子さんもそれなりに高齢になっているようなケース(老老介護)もあって、そういう意味でも、子供がいるから老後は面倒を見てもらえるとは言い切れない時代になったのだと思います。
だからといって、老後の心配はいずれにしても残るわけですが、子供がいても、いなくてもそれは残るものではないかなと、僕なんかはそう思っています。
孤独死が心配とおっしゃる方の中には、成仏できないのではないかと、心配されていらっしゃる方もいるようです。
身内がいなくて、供養してくれる人がいないと、成仏できないのではないか、と。
ただ、これについてはあるスピリチュアルカウンセラーの方からお話をお聞きしたのですが、そんなことはないのだそうです。
むしろ、供養してくれる人がいない、身内がいない方が早く成仏できると。
身内がいたりすると(その身内が心配で)、むしろ成仏するのに時間がかかったりするもので、だから、1人でこの世を去ってゆくのは成仏という意味ではむしろいいことかも知れませんよ、と。
成仏するしないは色々な考え方があると思いますが、ただ、僕はその話をお聞きして、何だか気持ちが少し楽になりました。
きっと幸せになれます
冒頭の方の質問に戻りますが・・子供ができなくても、子供がいなくても、きっと幸せになれます。
幸せは、以前にも書かせていただきましたが、条件付きではないと思うから、です。
つまり、こういう条件だったら幸せになれる・・・というのが幸せではないようです。
それは幸せの本質が関係していて、幸せの本質は何かと言ったら、幸せは感じるもの・・・ということだと思います。
何かを手に入れたら幸せというのは、条件付きですから、その瞬間に幸せだと感じてもそれはその時だけのものかも、知れません。
幸せですと話す方には共通点があるんです。
それは何かと言うと、幸せを見つけるのが上手、ということなんです。
幸せは手に入れるものではなくて、見つけるもの、感じるものなのかも知れません。
これを手に入れたら幸せだと思っていると、幸せを見つける力がどんどん失われてゆくようで、だから、次々と何かを手に入れないと幸せを感じられなくなってしまう。
だから、何かを手に入れたら幸せだという思いがあったとしたら、(ずっと幸せを感じてゆくためには)その思いを手放してみる必要があるのかも知れません。
その思いを手放してみた時に、以前は感じなかったような幸せを感じられるようになることがあります。
小さなもの、小さなこと、当たり前だったこと、当たり前に思っていたことが、その瞬間から、喜びに変わったりすることがあります。
そういう小さな喜びを感じながら、笑って生きてゆくことは、幸せなことだろうなと、少なくとも僕はそんな風に思っています。