悩むのをやめる。悩むのをやめたいと思った時に必要なことは?
思い悩んでしまって、そこから抜け出せない。
うまく気持ちを切り替えることができなかったり、マイナスな気持ちを何日も何日も引きずってしまったり。
そんなこともあるかも知れません。
多くの場合、悩むのをやめることができないのは、問題が解決しないから・・なのだと思います。問題が解決すれば、悩むことをやめられると思うんですね。
だけど、解決しないことだからこそ、悩み続けてしまうわけで。
ただ、不思議なことに、同じような状況でも悩み続けてしまう人と、悩んではいない人がいます。
今日は、悩み続けてしまう人とそうでない人の違いなども含めて、悩むのをやめるためにできることについてご紹介してゆきたいと思います。
目次
悩み続けてしまう人とそうでない人の決定的な違い
悩み続けてしまう人とそうでない人には、いくつかの違いがあるようです。
その中でも決定的な違いが1つあります。
それは何かというと、悩み続けてしまうことが多い人は、自分にはどうにもできないことに意識を向けていることが多く、あまり悩まない人は、自分にできることに意識を向けていることが多い・・ということです。
例えば、人間関係で悩むことが多い人は、「相手をどうしたらいいか?」と考えることが多いです。
一方、人間関係でそれほど悩まないという人は、「自分はどうするか?」と考えることが多い。
相手をどうするか?と考えると、悩むことになります。
相手はどうにもできないことが多いからです。相手は自分ではコントロールできないし、人は人に言われて自分を変えるのが嫌いです。自分のことは自分で決めたいから・・です。
だから、相手をどうするか?と考えると、どんどん悩むようになっていきます。
反対に自分はどうするか?と考えると、悩みから抜け出せることがあります。
自分であれば、自分自身である程度コントロールできます。自分の意思次第で、自分を変えることもできるかも知れません。少なくとも、相手を変えようとするよりは、自分が変わった方がはるかに楽です。
悩むのをやめるにはどうしたらいいか?
ということですが、自分にコントロールできないものに意識を向けると悩んでしまうので、悩まないためには、自分にコントロールできるものに意識を向ける必要があるかも知れません。
悩んでしまった時は、「それは自分にコントロールできることか?」「自分にできることは何か?」と考えてみると、その悩みから抜け出すためのヒントが見えてきたり、その悩みに対して少しポジティブに考えることができるようになることがあります。
悩みは「迷い」
これは以前にも書かせていただいたことがありますが、僕は悩みとは「迷い」なのだと思っています。
例えば、買うか買わないか悩んでいるというのは、買うか買わないか「迷っている」わけです。
例えば、この人とお付き合いするべきか悩んでいるというのは、お付き合いするかしないかで「迷っている」わけですよね。
じゃあ、悩むのをやめるにはどうしたらいいか?
というと、何かを決めてしまう必要があるのかも知れません。
先ほどの買い物の悩みも、買うか買わないかを決断してしまえば、その悩みもなくなります。
もっとも、例えば、人間関係の悩みであったり、自分の将来の進路などについての悩みは、買い物のように簡単に決断するのは難しいわけですが、ただ、迷うのではなく、決めてしまおうと思うと、悩むことから抜け出せるようになります。
また、迷いを捨てるには、場合によっては、腹を括ること、何かを思い定めてしまう必要もあるかも知れません。
例えば、人間関係で悩んでいたとします。
何故か、ある時から優しくなくなってしまった友達のことで悩んでいたとします。
この時も、何かを決めてしまう。例えば、少し距離を置こう。時間を置こうと決めてしまった時・・その悩みもなくなるかも、知れません。
例えば、転職したいけど、自分にはできるだろうかと悩んでいたとします。
この時も、「不安はあるけど、今は思い切って前に進むべき時だ」と腹を括ってしまった時・・その悩みもなくなるかも知れません。
もっとも、こんな簡単にはいかない場面も沢山あるわけですが、ただ、何か少しづつでも、決めてゆこうとすることで、その悩みから抜け出してゆけることもあるかも知れません。
心の容量は決まっている
心、もしくは、脳というのは、無限大に広がっているものだと思います。
ただ、一度にできることを考えると、ある程度容量が決まっているようです。
例えば、何かに夢中になっている時と、何もなくて退屈な時を比べてみると、何かに夢中になっている時の方が悩みが少ないと思うんですね。
これはその夢中になっている何かについて考えることが多いためで、他の悩みについて考える容量が心に残っていないから・・だと思います。
だから、何か夢中になれるものがある人は、比較的悩みが少ない人かも知れません。もっとも、その夢中になっている何かについて悩むことはあるかも知れませんが。
何かに悩むことが多い、悩んでばかり・・という時ですが、心の容量は決まっているわけですから、他のことで心を満たしてゆこうとすると、必然的に悩みも減っていきます。悩む余裕がなくなってゆくというか。
だから、悩むのをやめたいと思った時は、例えば、何か新しいことをはじめる絶好のタイミングでもあるのかも知れません。
何でもいいのですが、以前から気になっていたことをやってみたりするのもいいかも知れません。
悩んでいることについて積極的に考えたり、どうにかしようとするのもいいのですが、悩みとは、多くの場合、どうにもならないから悩みなので、その場合は、その悩みではなく、違う何かに意識を向けてみるのもよい方法だと思います。
そうすることで、悩むために使える心の容量は必然的に減ってゆきますから。
感情で考えると悩みから抜け出せない
「感情」で物事を考えようとすると悩むことが多くなります。
反対に「理性」で物事を考えようとすると、悩みから抜け出せたりする。
もっとも、自分の感情が自分に何かのサインを送っていることも多々あります。
ただ、感情というのはサイン以上のものではなくて、それはまた、真実でもありません。
例えば、不安という感情もそれはサインではありますが、それは真実とは限りません。
不安という感情は、最悪の事態を考えるのが仕事なので、それはむしろ、起こらないことの方が圧倒的に多いわけです。
そんな風にサインでしかない感情に振り回されることが多くなると、悩むことも多くなると思います。
そんな時は、感情ではなく理性で考えてみる。感情に勝てるものがあるとすれば、それはただ一つ、理性なんだと思うんですね。
悩むのをやめるには、理性というものを味方につける必要があると思います。
痛みを「引き受ける」と悩みも消えてゆく
特に人間関係で悩むのをやめられなかったり、同じことを堂々巡りのようにして考えて(悩んで)しまうような場合は、そこに心の痛みが関係していることがあります。
例えば、自分にとても近い関係の人に自分の気持ちを裏切れらてしまって、そして、その相手のことで悩んでいるとします。
この時、相手はどうにもならない、相手のことは自分ではコントロールできないのだから・・・と自分に言い聞かせても、それでも悩み続けてしまうようなことがあるかも知れません。
相手はどうにもならない、相手のことは自分ではコントロールできないと考えたことはとてもいいことだと思うのですが、それでも悩むことをやめられないのは、心に受けた傷を受け入れることができていないから・・・なのかも知れません。
この場合は、信じていた人から気持ちを裏切られたことによって受けた心の痛みです。
この心に受けた傷や痛みを受け入れることができないと、その悩みも手放せないのかも知れません。
ところで、臨床心理学の世界には「引き受け」という言葉があります。
「引き受け」とは、どんなことであっても、自分がそれを引き受けて、そして、それを自分の成長に結び付けてゆこうとする心の姿勢のことを言います。
多摩大学大学院の教授、田坂広志先生は著書の中で、この「引き受け」が本当の強さを手に入れるためにはどうしても必要なことであると語っていらっしゃいます。
先ほどの信じていた人に裏切られたことで心に受けた傷ですが、その辛い経験を引き受けようとした時、それまで自分が抱えていた悩みや消えてゆくかも、知れません。
反対に、それを引き受けない限り、その心に受けた傷を自分なりに受け入れない限り、もしかしたら、その悩みも捨てることはできないのかも。
「引き受け」というのは、本当に勇気が必要で、心の強さが必要なことだけれど、ただ、人はそんな風にして、何かを引き受けることで、大きく成長することがあるようです。
執着を手放せば楽になれる
執着を手放せば楽になれる。
お釈迦様が教えてくださったことですが、悩むのをやめられない時は、執着し続けている時でもあるかも知れません。
何かに執着して、手放せないでいるから、悩むこともやめられない。
そんな状態です。
例えば、誰かに何かをわかってもらいたい、わからせてやりたいと思い続けているけれど、相手は一向にわかってくれないような時、わかってもらいたいという思い(執着)を手放せば・・恐らく、楽になれます。
手放せば楽になれる。だけど、そのためには、自分はわかってもらうということに執着しているのだということにまず、気づく必要があって。
「あぁ、自分は相手に執着していたんだな」
そう気づいた時にはじめて、それを手放すという選択肢も見えてきたりします。
悩み続けてしまう時は、何かに執着している時でもあるかも知れない・・先ほどはそう書かせていただきましたが、悩むのをやめたいと思った時は、自分は何かに執着して、それを固く握りしめて放そうとしていないのではないか?と自分に問いかけてみるのもいいかも知れません。
そして、もしそうなら、その握りしめているものを手放そうとしてみるのも1つの方法だと思うんですね。
もし、執着しているものがあって、それを手放せた時は、驚くほど気持ちが楽になったりします。
もっとも、執着していたものを手放すのは勇気がいることだったりもします。だけど、思い切って手放してみると、その執着していたモノや人から解放されて、自由になれる・・・そんなこともあります。