物事を悪く考える、悪い方に考える癖を直す3つの方法
物事を悪く考えてしまう。いつも悪い方に考えてしまう。
そんなこともあるかも知れません。
人間関係でも、人のちょっとした言葉を、悪く考えてしまって、落ち込んでしまったり、何だかイライラしてしまったり。
そして、実はそうではなかったと気づくのに、また、自分の捉え方が極端であったことに気づくのに、とても時間がかかってしまったりする。
そして、そんな自分にもう疲れてきた。
そんな時はどうしたらいいでしょうか?
そんな時、どうやったら、物事を悪く考えてしまう自分を変えることができるでしょうか・・?
今回はそのためにできることについて、ご紹介してゆきたいと思います。
脳は実は悪い方に考えるのが仕事
心理の専門家、シャッド・ヘルムステッター氏によると、「セルフトークの77%はネガティブなもの」なのだそうです。
セルフトークとは、頭の中のおしゃべりのことになります。
人は黙っていても常に頭の中で何かを考え続けているもので、それが脳の仕事でもあります。
脳は働き者なので、ずっと考え続けているのです。
何のために考え続けているのか・・?
・・というと、その理由は色々あると思うのですが、その1つは、自分の身を守るため、だと思います。
危険なことはないか、心配なことはないか・・といつも一生懸命、自分の主を守るために、脳は働いてくれています。
例えば、帰宅が遅くなってしまって、少しでも早く帰るために、暗い道を通るかどうか迷ったとします。
すると、自分の主を守ることが仕事の脳は、暗い夜道を通るかどうか?と考えた時、「不審者がいて危険かも知れない」と言ってみれば、悪い方に考えます。
それは、自分の身を守るために、だと思います。
セルフトークの77%はネガティブなもの・・と先ほどご紹介しましたが、悪い方に考えるのは自分を守るためで、人は多くの場合、物事を悪く捉えやすくできているものだと思います。
だから、悪い方に捉えるのは、悪いことばかりではないかも知れません。
それは、自分を守ってゆく上では必要なことでもあるためです。
ただ、何でもかんでも悪い方、悪い方に捉えるようになってしまうと、自分が苦しくなってしまいます。
その場合は、その悪い方に捉え過ぎてしまう癖を少し、修正してゆけたらいいのかも知れません。
ただ、ここまでご紹介してきたように、人は自分を守るために、悪い方に考える必要がある場合もありますから、悪く考える癖は全部は捨てない方がいいですし、もし、本当にそれができてしまったら、今度は自分を守れなくなってしまって大変です。
だから、少しだけ、手放すことができたらいいのかも知れません。
悪く考える癖は「習慣」。習慣を変えるために必要なことは?
悪く考えすぎてしまう癖ですが、「癖」ということは、それが「習慣」になっているということになります。
ですので、物事を悪く考えてしまう自分を変えるというのは、悪い方に考えてしまう自分の「習慣」を変えるということになります。
習慣というのは、考え方にもあって、人には、多くの考え方の「習慣」(癖)があります。
それらは、育ってきた環境の中で身に付けたものであることが多く、それはつまり、非常に長い間、自分と共にあったものになります。
だから、すぐにその考え方(の習慣、癖)を変えられるかと言ったら、そうではありません。
何年も何十年も自分と共にあったものを一瞬で捨てるなんてことはできませんし、また、そうやって一瞬で自分を変えることができたらそれはそれで困るわけです。
次の日に会ったら、自分の彼氏彼女が全くの別人になったりしていたら、大変です。
ただ、それは習慣なので、変えられないことはないかも知れません。
さて、その習慣を変える際ですが、3という数字を意識するといいと言われることがあります。
まずは、3日間、意識して、その習慣を変えるために何かを実践し続けてみます。
それができたら、3週間。次は3か月・・という風に続けてゆきます。
そして、3年が経つと、その実践していたものが意識しなくてもできるようになる・・そんな風に言われています。
3年なんて、長い期間だと思われるかも知れません。
ただ、実践を続けてゆくうちに気持ちは少しづつ変わってきたり、感じ方が変わってきたりすることがあります。
それは案外早い段階で気づきます。
そして、気持ちは実践をする度に楽になれたりします。
ただ、3年を過ぎるまでは、「意識すること」が大切になってきます。
さて、ここからは具体的に物事を悪く考えすぎてしまう癖を直す方法について見てゆきたいと思います。
悪い方に捉えたら、その後で良い方の捉え方を2回、してみる
例えば、人に言われた、ちょっとしたことを悪い方に捉えてしまったとします。
「あっ、また悪い方に捉えてる・・」
・・と気づいても、それで構いません。
大事なことは、「気づけたこと」です。
気づくことができないと、何もはじまらないので、自分が悪い方に捉えたと気づけたということは、非常に大事なことになります。
さて、悪い方に捉えていると気づけた後ですが、その悪い方に捉えたことはそのままにしておきます。
例えば、友人が自分がやっている仕事に対して、「私はそんな仕事は絶対にできないな。」と言ったとします。
その時、自分は
「価値のない仕事だと思ったんだろうな・・」
・・と悪い方に捉えてしまったとします。
そしたら、その捉え方はそのままにしておいて、次に、今後は良い方の捉え方を2回、してみます。
先ほどの友人が自分がやっている仕事に対して、「私はそんな仕事は絶対にできないな。」と言ったことに対して・・・今度は反対の捉え方をするわけです。
意図的に、2回してみます。
例えば、1回目。
「自分には(難しくて)できない仕事だと言いたかったのかもな」(・・そう考えると誉め言葉?)
2回目は・・
「自分には絶対にできないようなことをやっててすごいねと言いたかったのかな」(・・あの人もプライドがある人だから、すごいねなんて言えないだろうしね)
・・・という風に、1回、悪い方に捉えたら、それはそのままに、今度は2回、良い方に捉えてみます。
これを悪い方に捉えたと気づいた時に実践してゆきます。
実際に実践してみるとおわかりになると思いますが、捉え方次第で、その後の気持ちが全く違うことに気づくと思います。
相手が言ったことは変わらないのに、それをどう捉えるかで、気持ちは全く違うものが湧き上がってきます。
3つのことを書き出すノート
悪く考えてしまったと気づいた際にできるもう1つのことですが、ノートを使って、3つのことを書き出してゆく・・ということも効果的でおすすめです。
まずは、ノートと鉛筆を用意します。
そしたら、悪く考えてしまったことに対して、次の3つをそれぞれ、書き出してゆきます。
①後悔したこと
②仕方がなかったと思うこと
③これからの自分にできること
先ほどの、友人が自分がやっている仕事に対して、「私はそんな仕事は絶対にできないな。」と言ったことに対して、
「価値のない仕事だと思ったんだろうな・・」
・・と悪く考えてしまった例でやってみたいと思います。
①後悔したこと
・友人の言葉だけを捉えて、判断してしまった
・ちょっとしたことなのに感情的になってしまった
②仕方がなかったと思うこと
・思い入れのある仕事だから、大事にしてきた仕事だから、そう思ってしまったんだと思う
③これからの自分にできること
・その時の言葉だけで、友人そのものを判断しないようにしよう
・悪い方に捉えたら、良い方に2回捉える練習を忘れてしまった。次からは絶対実践しよう
こんな感じで、①後悔したこと、②仕方がなかったと思うこと、③これからの自分にできること・・をノートに書いてみます。
この、書く・・という作業がとても効果的で、書くと頭の中が整理されてゆきます。
頭が整理されてゆくと、物事を客観的に見れるようになって、感情を手放しやすくなります。
3つのことを書き出すノート、よかったら、実践してみてください。
言葉だけでは、相手の真意はわからない
相手の真意というのは、言葉だけでは、わからないことが多いと思います。
それに人は、話す言葉を吟味していることは恐らくそれほど多くはなく、そんなに大きな意味もなく、何気なく口にしていることも多いものです。
だから、あれはどういう意味で言ったの?と言われても、「ごめん・・あまり覚えてない・・」と言われることも案外多いかも知れません。
悪い方に捉える人は、散々思い悩んでいるのに・・です。
だから、人は言葉にそれほど大きな意味を込めていないことが多い・・と予め、予測しておくことも悪い方へ考えないためには必要なことかも、知れません。
人は何気なく、言葉を発していることが多く、そこに大きな意味はないことが多いものなのだ・・と。
人の言葉を悪く捉えて傷ついてしまうことが多いような場合は、人をその時のその言葉で判断するのではなく、もっと大局で、その人を見ようとしてみてもいいかも知れません。
例えば、その人とのこれまでのことを考えてみてもいいかも知れません。
例えば、その人のこれまでの行動を考えてみてもいいかも知れません。
その時のその言葉だけで判断しようとするのではなく、もっとその人全体、またはお互いのこれまでの関係全体を見てみると、その相手の人が意図していたこと、意図していなかったことが見えてくるかも・・知れません。
または、その人の考え方、価値観になって、その言葉の意味をもう一度、考えてみるのもいいかも知れません。
人は考え方も価値観も全く違うものですから、自分の考え方や価値観で相手が言ったことをいくら考えても、答えはなかなかでないものだと思います。
そんな時は、相手の人の考え方なら、相手の価値観なら・・と考えてみると、冷静に考えられることもあるかも知れません。