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他人にも自分にも甘く、優しい人になる

他人に優しくなれない時、そんな時は人がやることを「評価」してしまっていることがあったりします。

つまり、人やモノ・・・なんでもそうですが、そういった自分の周りにある物事を「良い」「悪い」「正しい」「間違っている」で評価してしまうことがあります。

例えば、お店に入って店員さんの態度を見て、「なんだあの態度、それでも接客の仕事をしているつもりかな」という風に相手を評価してしまったり、他人が言ったちょっとした一言に「あの言い方は失礼だ」という風に相手のことを裁くこと。

こうやって、人を良いとか悪い、正しい、間違っている・・・という風に評価を繰り返していると、どうしても他人には優しくなれなくて・・それどころか、他人にイライラする機会もどんどん多くなっていったりします。

思いがなければ、イライラしない

以前、お釈迦様の教えと「執着」という記事をご紹介しました。

お釈迦様は、「執着を手放せば楽になれる」とおっしゃっていました。

それはつまり、こうであるべきだ・・・という自分の中にあるその考え方以外を許さない思い込みがあるからこそ、そうならなかった時に苦しむのだよ・・・そういうことをお釈迦様はおっしゃったのだと思います。

例えば、先ほどの態度の悪い店員さんの話。

「店員は笑顔で丁寧に接客すべきだ」という思いがあるからこそ、「笑顔で丁寧に接客できない人」に苛立つのであって、その「店員は笑顔で丁寧に接客すべきだ」という思いがそもそもなければ、そこまで苛立つこともなく、自分が嫌な思いをすることもないということなんだと思います。

自分が嫌な気分になった時は、必ず、自分の中に何かしらの思い込みがあるのだろうなと・・・ある時そう思いました。

そして、その思い込みを捨ててしまったら、そのことで嫌な思いをすることもなくなるのではないか・・・と。

例えば、先ほどの店員さんのケースで言えば、「店員は笑顔で丁寧に接客すべきだ」という思いが自分の中にあるために「自分が苦しむ」ということに気づき、じゃあ、「笑顔で接客できる人は気持ちがいいけど、それができない人もいる」という風に考えることにしよう・・・と思い込みを捨ててみる。

すると、それができた時にイライラはピタっと止まったりします。

それは最初は10回に1回しかできないことでも、それを続けてゆくうちにそれは10回に2回になり、2回に1回になっていったりします。

「どっちでもいいかっ!」

思い込みや執着とはどちらか片方しか許さない考え方です。だからこそ、その片方とは逆のことや人を許せないわけで・・。

だから苛立ちます。その嫌な気分は自分の思い通りになっていないから・・・だと思うんです。

思い込みを手放すために僕がよく使っている言葉があって、それが・・・

「まぁ、どっちでもいいかっ」

・・・という言葉です。

思い込みとはどちらか片方しか許さない考え方で・・・それを捨てるには、自分にもう片方も許すことだと思うんです。それは自分の中のグレーゾーンを広くしてゆく・・・ということでもあると思うんです。

心の中のグレーゾーンが広い人は、心の広い人、他人にも自分にも優しい人だと思ったんです。他人に優しくなるには、自分の中にあるグレーゾーンを広くすることが大切なのかも知れません。

他人を正しい、間違っているとか、良い、悪いで判断したくなった時は「ま、どっちでもいいかっ」と口にします。または心の中でそう言います。そう口にした瞬間に心がふっと楽になったりします。

そして、それを繰り返してゆくうちに、本当にどっちでもよくなってきます。(笑)

勿論、僕はすべてのことがどっちでもいいとは思えません。でも世の中の大半のことは「どっちでもいいこと」なのかも知れないと思うようになりました。

それは「自分にとってはどっちでもいいこと」・・・という意味です。

例えば、挨拶をしない方がいたとします。その時、「挨拶はするべきだ」という思い込みがあると必ずイライラします。「なんだ、挨拶もしないで・・」と。

でも、本当は相手が挨拶するかどうかは「自分にとってはどっちでもいいこと」なんだと思うんです。大事なのは、自分がしたいから挨拶をすることであって。

自分にとっては、正しいか正しくないかなんて本当はどっちでもいいことで、もっと大切なのは自分が「楽しいか、楽しくないか」ということかも知れません。人の間違いを指さして糾弾している時、僕は決して楽しい気持ちにはなれそうもありません。

それだったら、「ま、どっちでもいいかっ」と口にして、その嫌な気分に浸る時間を自分がしたいことをする時間に使いたい、そう思っています。

そう考える僕は自分に甘いです(笑)。でも、自分に甘くなった分、人様にはとても厳しくできません。

僕はどうやったら優しい人になれるだろう・・・とずっと考えてきました。でも、その仕組みが、やっと少しだけわかった気がしたんです。