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人の心を救いたいけど、救えないと思った時にできる1つのこと

例えば、思い悩んでいる家族であったり、友人であったり、または自分を頼ってくれた人であったり、そういう人を悩みから救いたいと思われることもあるかも知れません。

そういう思いでカウンセラーや心療内科の医師を目指される方もいらっしゃって、その思いは素晴らしいものだと、思います。

ただ、自分には何もできないと思ってしまうこともあるかも知れません。
それでも、そんな時でもできることはあるのかも知れません。

救おうとしなくていい

マザー・テレサの言葉にこんなものがあります。

「わたしたちの使命は、苦しんでいる人がいれば世界中どこへでも行って、その人と一緒に苦しむことです。」(マザー・テレサ)

マザー・テレサは沢山の方々の心を救われた方だったと思います。ただ、マザーは「助けることです」とはおっしゃっていません。

「一緒に苦しむこと」が使命だと、語られています。

思い悩んでいる人を救いたい、だけど救えないと思った時は救おうとしなくていいのかも知れません。

そんな時は一緒に悲しんだり、一緒に泣いたり、一緒に怒ったりするだけでも、その人は楽になれると思うんです。

人から相談されて、どうしたらいいの?って言われたら、何とか助けてあげたい、その人の役に立ちたいと思われる方もいらっしゃるかも知れません。

それでも何も答えを教えてあげられないと思ったり、自分はこうした方がいいと思うよと伝えても、相手は「そうかなぁ・・・」と言うだけで喜んではくれなかった・・・そんなこともあるかも知れません。

そんな時は、相手を救おうとするよりも、ただただ、一緒にその人の気持ちになってみることが実は一番喜ばれることなのかも知れません。

同じ気持ちになってもらえたり、わかってもらえることってやっぱり人は嬉しいものだと思うんです。

同じ気持ちになってあげること、わかってあげようとすることは、「あなたのままでいいんだよ」というメッセージにもなります。

そして、人はそういう風に「自分のままでいいんだ」と思えた時に自分から前に一歩踏み出そうとする勇気が湧いてくるようです。

それは人に言われて、変わろうとするよりも、もっともっと力強い一歩なんだと思います。

本当の意味では、人は自分自身しか、救えないのかも知れません。

こちらがしてあげられるのは具体的な道を示すことよりも、自分自身で前に進もうとする勇気のようなものを与えること、なのかも。

そして、マザー・テレサが語られたように一緒に苦しんだり、または、一緒に泣いたり、相手の気持ちになってあげるということが、そのためにできる1つのことなのかも知れません。