燃え尽き症候群、むなしさ、心がからっぽになる感覚からの抜け出し方
それまで熱意を持って、やる気に溢れていたのに、ある日突然のように、むなしくなったり、ある種の虚脱感を感じたり、または心がからっぽになってしまったような感覚に襲われる。
そんな虚無感であったり、燃え尽きてしまうこと(燃え尽き症候群)については他にもいくつか記事を書かせていただきました。
燃え尽き症候群の原因と克服方法、根本的な治し方とは?
ある日突然、やる気を失う、意味がない、むなしいと感じてしまう
自分を支えていたものなのに燃え尽きて無気力感を感じる
今回はまた違った方向から、燃え尽き症候群や虚無感、虚脱感からのからの抜け出し方について考えてみたいと思います。
目次
心を充電する方法を持っておく
今では世界的に有名な時計ブランドとなったG-SHOCK。そのG-SHOCKを開発した伊部菊雄さんという方がいらっしゃいます。
伊部さんは自身の著書、「G-SHOCKをつくった男のシンプルなルール」(東洋経済新報社)の中で、自分がからっぽになったと感じた時にできる3つのことについて語っていらっしゃいます。
伊部さんご自身も、仕事でアウトプットを続けていると、数か月に一度は自分がからっぽになったような虚脱感に襲われることがあるそうです。
そんな時のために、自分の心を充電する方法を持っておくことが大切だ、と。
伊部さんご自身は3つの方法を実践していらっしゃるそうです。
それらは、1)仕事から完全に離れること、2)走る、3)気乗りがしない自分を抑圧しないこと・・・だそうです。
仕事から完全に離れること
伊部さんが語られた仕事から完全に離れること・・・というのは、特に燃え尽きてしまったような状況ではとても大切なことなのかも知れません。
僕自身の経験も含めて書かせていただいた燃え尽き症候群の原因と克服方法、根本的な治し方とは?でもお話させていただきましたが、頑張り過ぎてしまう人がなってしまうのが燃え尽き症候群です。
そんな人にとって休むなんてことは、頑張って働くことよりも難しいことなのかも知れません。
また、燃え尽きてしまっている自分を認めたくなくて、その状態から抜け出そうとして、やる気を出そうとさらに頑張ろうとしてしまう・・・そんなこともあるかも知れません。
ただ、燃え尽きてしまった状態、または、そこからくる虚脱感から抜け出すには、その反対の方向へと進む必要がどうもあるようです。
その反対とは、つまり、頑張らない方向、です。
燃え尽きてしまうような頑張り屋さんの方にとっては、頑張らないために頑張らないといけないわけですが・・ただ、積極的に休むことで、一度下がってしまった心の状態はまた必ず上がってきます。
どうしても頑張ることをやめられない・・そんな時は、その燃え尽きてしまったこと以外のことに頑張る・・・ということでもいいのかも知れません。
つまり、燃え尽きてしまったこと以外のことを充実させてゆくことも、結果的にはまたやる気を取り戻すことへとつながってゆくように思います。
体を動かすと悩みがどんどん消えてゆく
伊部さんの2つ目の心の充電方法が走るということでした。
走ることで、仕事で疲れていた気持ちがリフレッシュされてゆくと感じられたそうで、今では走れないとそれがかえってストレスになるほどだそうです。
また、「オフィスを離れて」「一人になって」「体を動かす」という状況だと、突然、「こうすればいいのか!」という解決策が思い浮かんだり、疲れ切っていた頭がほぐされ、発想力が高まると感じられたそうで、走る前に今日はこれについて考えようとお題を用意しておくこともあるのだとか。
心(頭)というのは、どうも黙って考えていると、マイナスな方向に傾きやすいようです。
だから、じっと座って考えていると、何だか不安になったり、同じことを堂々巡りのようにして考え続けてしまうことがあったりします。
僕自身もそんなことに気づいてからは、歩き瞑想をすると、不安や悩みが消えてゆくでもご紹介させていただきましたが、何かを考える時はできるだけ体を動かしながら考えるようにしています。
虚脱感や虚無感のようなものに襲われる時は、その感覚に襲われる原因となったモノが何かしらあると思います。
それは、何か自分が求めていたものや目指していたものに届かない自分に何だか疲れてしまったり、この先のことを予想して、同じことの繰り返しのような気がして、もう何だか色々なことが嫌になってきたり・・色々なことがあると思うんです。
ただ、そういった考え方があって、それが原因となって自分を虚無感へと導いてしまうモノが自分の中にたまっていってしまう・・
それはなかなか捨てられないもので・・だけど、捨てる方法があって。
その一つが体を動かすということだと思います。
その捨てられないものはある種のエネルギーのようなもので、消費すると薄れてゆくようです。
そして、そのエネルギーを消費するには、体を動かす、汗をかくということがどうも効果的なようです。
もっとも、その原因となっている考え方であったり、頑張れない時に頑張る癖を直さなければ、また、いつかは燃え尽きてしまったり、虚無感やむなしさ、心がからっぽになってしまう感覚に襲われてしまうかも知れません。
ただ、そのためにじゃあ、自分は何をどう直していったらいいのか?と考えるのも、体を動かしながらの方が、伊部さんが著書の中で指摘されていたように(発想力が高まることで)自分なりの方法が見えてくることがあります。
僕はそんな体を動かすことの効果を実感してからは、歩くこと、走ること、または以前にも少し書かせていただきましたが、雨や雪の日にはエアロバイクをこぐこともありますが、そんなことを習慣にするようになりました。
迷った時ほど、悩んだ時ほど、行き詰った時ほど、色々なものが自分の心にたまっていると感じた時ほど、体を動かすようにしています。
自分の素直な気持ちを抑圧しない
どんなに好きなことであっても、どんなに情熱を傾けていたものであっても、どうしても気乗りしない、やる気がわいてこない、何だか疲れてしまう・・そんな時もあります。
そんな時もあってもいいと思うんですね。
そういう意味で人はいつでも100%ではなくて。
だけど、頑張ろうとする方は、その100%ではない時、心が下がっている時に余計に頑張って100%まで持ってこようとする方も多いかも知れません。
そんな自分が100%ではない時、伊部さんは「今日はダメ!」と心の中で叫ぶそうです。
一番悪いのは、その心の声を抑圧することだ、と。
自分の気持ちを「抑圧」すると、その抑圧したものは、心の中にたまってしまうようにどうもできているようです。
だから、自分の気持ちを抑え続けていると、それが自分の心や体に何かしらの症状となって現れます。
だけど、その症状が自分の気持ちを抑圧していたことが原因だとはなかなか誰も気づかないもので。
20年続いた慢性腰痛が治った!今までになかった慢性腰痛の治し方とは?でも書かせていただきましたが、その気持ちの抑圧が座れないほどの激痛が続いた腰痛の原因だった・・・そんなこともあります。
やる気がでない、何故か頑張れない・・・そんな時は特に頑張り屋さんの方にとってはその時の自分を受け入れてみるということも僕は大事なことのように思います。
やる気がでない時もある・・自分の心のその不完全さを受け入れて、少し力を抜いてみると、またやる気というのは必ず戻ってきます。
ところが、心が下がっている時に頑張ると、心はなかなか上がってきてくれません。
自分の素直な気持ちを受け入れてみると、自分の気持ちを抑圧せずに、頑張れない自分をそれでいいと、受け入れてみると、気持ちは不思議と(自分を許す度に)楽になってゆきます。
頑張ることが当たり前になっている人にとって、それはとても難しいことかも知れません。
ただ、そういう燃え尽き症候群からの抜け出し方というのも、僕はあると思っています。