マイナス思考を治す方法とは?日々実践できる2つのこと
「悪いことも、良いことであっても、マイナスに受け取ってしまう」
・・・というのはマイナス思考(マイナス化思考)と呼ばれていて、これも考え方の癖を変える方法でご紹介した、考え方の癖の1つになります。
マイナス思考なんて言うと、持って生まれたもの、治らないもの・・と思ってしまいます。
そういう一面もあるかも知れません。ただ、多くの場合は、後天的な要素が大きく関係しているようです。
それがもし、「考え方の癖」だとしたら、それは治すことができるということになります。
今回は、マイナス思考を治すためにできることとや、何か自分の言動を思い出しては、後悔したり、クヨクヨしたりすることを繰り返してしまうような時にできることについてもご紹介したいと思います。
時間をかけて治すか?受け入れて強みにするか?
マイナス思考というのは、考え方の癖を変える方法でご紹介した「認知の歪み」の1つと言われています。
「認知の歪み」なんて、何だかあまりよくないことのようですが、それは言い替えると「考え方の癖」で、人は多くの場合、何かしらの考え方の癖(認知の歪み)を持っているようです。
考え方に癖があることが悪いことかというと、そうではないのかも知れません。
それが個性になったり、時には自分の強みにもなったりするためです。
しかし、その考え方の癖が自分を苦しめてしまうようになった時は、その自分の癖と少し向き合ってみてもいいのかも知れません。
マイナス思考に限らず、考え方の癖があると思った時、そして、それをどうにかしたいと思った時、2つの方法があります。
それらは、1)時間をかけて治す、2)受け入れて強みにする・・という方法です。
1)時間をかけて治す
考え方の癖というのは、多くの場合、何年も何十年も自分と共にあったもので、それは殆ど自動的に、無意識のうちにそう考えてしまうのであって、それを直してゆくのには、根気と時間が必要になります。
何か1つの考え方の癖を変えるのに3年はかかるかも、知れません。(少なくとも僕自身の実体験ではいつも不思議と3年です)
3年は長いけれど、「じゃあ、オレ、明日変わるね」なんて言って、明日本当に変わってしまうことができたら、それはそれで大変なことになるかも知れません。
少し話はそれましたが、考え方の癖を変えるには、時間が必要で、それは根気のいる作業です。
「それでも変えたいんだ」という強い気持ちを持って、自分と向き合うことで、新しい自分になれることもあります。
変わる時は、ある日、今まで見ていたものが全く違って見えるような不思議な体験をします。
ただ、その日まで何も変わらないかというとそうではなくて、考え方を変えると、感じ方も自動的に変わりますから、少しづつ、感じ方であったり、自分の気持ちの持ち方なども変わっていきます。
それを続けてゆくと、ふっと、見ている景色がガラっと変わるようなそんな瞬間がやってくることがあります。
考え方の癖を変えるためにできることについては考え方の癖を変える方法でもご紹介していますが、後程このページでも具体的なやり方をご紹介します。
2)受け入れて強みにする
マイナス思考のような自分の考え方の癖に悩むようになった時にできるもう1つのことが受け入れて自分の強みにするという方法ではないかなと、思います。
考え方の癖を変えるまでには時間がかかります。そして、根気のいる作業です。
それなら、受け入れてしまうというのも一つの方法かも知れません。
マイナス思考というものは、僕は全てが悪いとは思いません。
僕は、多少マイナス思考である位がいいと、思ってます。
ただ、勿論、自分を追い込んだり、追いつめたりしてしまうマイナス思考の行き過ぎた部分はそれは直した方がいいとは思っています。
しかし、マイナス思考だから、自分を省みたりして、自分を少しづつ成長させてゆくことができることもあるし、マイナス思考だからこそ、できることってあると思うのです。
自分はマイナス思考で、何かあるとすぐにメソメソしたり、クヨクヨしたり、または誰かと比べて劣等感を感じたりする。
そんな風に思われる方もいらっしゃるかも知れません。
だけど、例えば、誰かと比べてしまって、自分は負けていると思うからこそ、人よりも努力できることってあると思うのです。
クヨクヨしたり、メソメソしたりするから、強くなりたいと思えたり、自分を省みることで自分がその時は情けないと思っても、その経験を自分の成長につなげることができたりすることもあると思うのです。
マイナス思考は、そうやって、自分の強さや成長にどこかでつながっているのかも知れない。
そう思って、その自分が欠点だと思っていたものを受け入れてみると、それは時に自分の強みになることがあります。
考え方の癖を直すために何をすればいい?
さて、ここからは少し具体的にマイナス思考の治し方について見てゆきたいと思います。
どんなことをするかというと、考え方の癖を変える方法でご紹介した「反応を決めておく」ということをします。
例えば、何か自分を悩ます問題が起きたとします。
この時、「ついてない」と考えることも、「もっと問題が悪化してゆくかも・・」と考えることも、「このままこの問題から抜け出せなかったらどうしよう・・」と考えることも、ある種の考え方の癖です。
同じ問題が起こっても、違うことを考える人もいます。
これもある種の考え方の癖です。
何か自分を悩ます問題が起きます。
この時、その問題を自分が成長するための機会だと考える人もいるかも知れません。いわゆる、プラス思考の人です。
どちらにも問題は起きていて、だけど、その捉え方は全く逆です。
それは癖になっていて、無意識の間に、自動的に行われていることが多いようです。
だけど、それは(何かのきっかけで)繰り返し行われてきたことによって無意識で行うようになったこと・・・だとすると、意図的に反対のことを繰り返し行ってみることで、その無意識にやっていることを変えることができるかも、知れません。
さて、「反応を決めておく」という方法のお話に戻りますが・・・例えば、仕事がうまくいかない時があったとします。
この時、「自分には才能がないんだ」「給料も下がるかも知れないな」「将来の自分はどうなるんだろう?」
・・・と考えて、気持ちが落ち込んだとします。
「仕事がうまくいかない」
↓
「自分には才能がないんだ」
↓
気持ちが落ち込む
(結果的にその問題を解決するための自分本来の力が湧いてこない)
・・・という順番です。
これを例えば、
「仕事がうまくいかない」
↓
「自分の仕事のやり方を見直すチャンス」
・・・という風に変えてみます。
「仕事がうまくいかない」時があった時に、あらかじめ、「自分の仕事のやり方を見直すチャンス」と考えることを決めておいて、それをその時になったら、実践してみます。
10回そのチャンスがあったら、最初はそのうちの1回でも2回でも、「自分の仕事のやり方を見直すチャンスだ」・・・と考えることを実践してみます。
考え方の癖は、瞬間的に、無意識の間にやってきますから、毎回決めておいたことを考えてみる・・ということができなくてもOKです。最初は10回に1回できたら、大成功だと思ってみてください。
ただ、それが実践できた時には、不思議と、気持ちはそれほど落ち込まないことに気づくかと思います。
すると、その問題を解決するための力であったり、自分を成長させるための力が湧いてきたり、またはそのためのヒントが見つかることがあるかも知れません。
気持ち(感情)というのは、その前に何を思ったかが決めているので、無理矢理でも、「自分の仕事のやり方を見直すチャンス」と思ってみると、その後にその思ったことに見合った感情がやってきます。
これについては、自分を苦しめる考え方を変える方法、感情は思考の後についてくるで詳しくご紹介しています。
そうやって、無理矢理でも思うことを変えてみると、その思ったことに見合った感情がやってきます。
ただ、マイナス思考というのは考え方の癖で、癖というのは、何も考えなくてもやっていることなので、意識しないとまた以前と同じようなことを考えるはず、です。
だから、次もまた意識して「自分の仕事のやり方を見直すチャンス」と思ってみる必要があります。
そして、そのまた次も。その次も。
そうやって頑張ってやっているのに、ある時、また前の考え方をしているのに気づくと、そこで諦めてしまいそうになるかも、知れません。
だけど、そこで諦めないで、もう一度やってみます。
僕はよく考え方の癖を変えることをマラソンを走ることに例えて考えたりします。
全く走ったことのない人がマラソンを走る。
それ位、何年も何十年も繰り返してきた自分の考え方の癖を変えるのは大変なことだと思っていますし、自分自身がそう実感してきました。
人は考え方以外にも色々な癖や習慣がありますが、考え方は他の癖とは繰り返してきた回数が全く違うはずです。
だけど、そうやって続けてゆく間に少しづつ、気持ちが変わっていったりします。
なんかいつもの自分と違う。
こんな時、もっと落ち込んでいたはずなのに。
例えば、そんな風にして。
そして、ある時、意識しなくても、自分の心が元気でいられる方の考え方をしている自分に気づく日がやってくることがあります。
後悔したり、クヨクヨすることを繰り返してしまう時は?
例えば、昨日、自分が友達に言ったことを、「もっと違う言い方をすればよかったな」・・と思ってしまったりして、後悔したり、クヨクヨしてしまう。
そんな風にちょっとしたことなんだけど、多くの人は多分気にしないのだろうけど、自分はどうしても気にしてしまう、どんどんマイナスに考えてしまって後悔してしまう。
例えば、そんな時はどうしたらいいのでしょうか?
後悔しない人は、きっといないと思うのです。
たまには、あぁ、あんな言い方はなかったかな・・と思ってしまうことはあるものだと思います。
でも、その思いがあるから、次はもっとこうしようと思えたりする。
だから、後悔することは悪いことばかりではないと思うんですね。
ということを前提に・・
何か自分のちょっとした言動に後悔してクヨクヨしてしまった時にできることがあります。
それは何か1つ、マイナスなこと、悪かったことを思い出して後悔したくなった時は、後悔しながら、又は後悔した後で、何か2つ、その時によかったことを思い出そうとしてみます。
何か、「あぁ、これがダメだった・・」と悪かったこと、マイナスだったことを1つ思い出す度に、その時よかったことを2つ、思い出そうとしてみます。
例えば、友達に「こうした方がいいよ」と言い過ぎてしまったと後悔したとします。
そうしたら、そのことを後悔した上で、その時に自分の言動でよかったところをちょっとしたことでいいので、思い出そうとしてみます。
例えば、「笑顔でいた」でもいいし、「相手の話を聞こうとした」でもいいし。
ちょっとしたことでいいので、これはよかったかなと思えることを2つ、探します。
1つのマイナスに対して、2つのプラスを探すのです。
すると、その後、後悔は少し、前向きな後悔(反省)に変わったりすることがあります。
後悔が反省に変わると、気持ちは少し、明るくなります。
優秀な人ほど、マイナス思考の傾向があった
さて、ここまでマイナス思考の治し方について見てきました。
最後にこんなことを言うのは矛盾しているかも知れませんが・・
物事をプラスに考える、プラス思考もとても大切なことだと思いますし、マイナス思考が上記で書かせていただいた例のように自分を落ち込ませるのであれば、そのマイナス過ぎる部分に関しては直してゆけたらいいのかも知れません。
ただ、マイナス思考をすべて捨てる必要はないと思います。
冒頭でも書かせていただいた通り、多少マイナス思考である位がいいのではないかなと、思うのです。
それに実は、それに関して、ある調査が行われています。
これは二人の心理学者(ダニングとクルーガー)によって行われた調査なのですが、その調査では、優秀な人ほど、マイナス思考、ネガテイブな考え方をする傾向がある・・そんな結果が出ています。
マイナス思考だからこそ、自分を高めてゆこうと思えるのかも知れませんし、そういう一面が優秀な人にはあるのかも知れません。
だから、マイナス思考であることは、そういう意味では良いこと・・なのかも知れません。
ただ、マイナス思考過ぎることで、自分が頻繁に落ち込んでしまうようなことがあれば、そのマイナス思考過ぎる(過剰な)部分だけは直してゆけたらいいのかも知れませんね。