信頼関係を築くには?5つの方法とそのために大事なこと
友達と、彼や彼女と、または教え子であったり、仕事の取引先の人、または上司や部下と・・・信頼関係を築きたい。
そんな風に思われることもあるかも知れません。
でも、どうやったら信頼関係を築くことができるでしょうか?
今日は、信頼関係を築くために大事なことや信頼関係を築くために具体的にできることについて、見てゆきたいと思います。
また、記事の最後では、人を信じるとはどういうことを言うのか?人を信じるのがちょっと怖い時はどうしたらいいか?ということについてもご紹介したいと思います。
目次
- 信頼関係とは、どんな関係か?
- 自分なら、どんな人だったら信頼してもいいと思うか?
- 自己開示をすると相手も心を開いてくれる
- 自分から信頼してみる
- 相手を相手のまま受け入れる
- 信用を得ることを重ねていった先に信頼が生まれる
- 人を信じるのが怖い時はどうしたらいいか?人を信じるとは?
信頼関係とは、どんな関係か?
信頼関係を築く方法の前に、そもそも信頼関係とはどんな関係のことを言うのでしょうか?
ところで、「信頼」に近い言葉に「信用」という言葉があります。
この「信頼」と「信用」の違いについて、心理学者のアドラーはこんな風に捉えていたようです。
- 信用する・・・条件付きで相手を信じること
- 信頼する・・・無条件で相手を信じようとすること
アドラーの心理学を対話形式で解説したベストセラー「嫌われる勇気」の著者、岸見一郎さんは、信頼と信用の違いについてこんな風に語っています。
「信用」は条件付きです。(中略)対人関係はそれではいけません。信用ではなく「信頼」の関係を築く必要があります。信頼とは無条件のものです。「信じられない時にあえて信じる」のが信頼です。
(出典:「信頼」とは無条件のもの「信じられない時にあえて信じる」のが信頼 サイボウズ)
嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え
岸見一郎、古賀史健
ちなみに、アドラー本人はこんな言葉を残しています。
「「信用」するのではなく「信頼」するのだ。「信頼」とは裏付けも担保もなく相手を信じることである」(アルフレッド・アドラー)
信用とは、何か信じる根拠があって、相手を信じることを言いますが、信頼とは、何か信じる根拠となるものがその時になくても、それでも相手を信じようとすること・・なのだと思います。
少し見方を変えると、信頼関係とは、(自分の気持ちなどを)裏切られてしまったりするリスクがあっても、それでもお互いにそんなことを恐れずに相手を信じようとする関係ということになると思います。
そう考えると、信頼関係を築くのは何だか難しそうですが、ただ、信頼関係を築くためには、まず、自分はどんな人だったら、自分の気持ちを裏切られてしまうことを恐れずに信じることができるか?と考えてみることから始めてみるといいのかも知れません。
自分なら、どんな人だったら信頼してもいいと思うか?
信頼するとは、信じる根拠となるものがその時になくても、それでも相手を信じようとすること、自分の気持ちを裏切られてしまうことを恐れずに信じようとすること。
・・ということでしたが、例えば、自分なら、相手がどんな人であれば、そんな風にして信頼できるか?
そう考えてみることが相手と信頼関係を築くためのヒントになると思うのです。
そんな風に思ってみた時、例えば、
①嘘をつかない。言っていることとやっていることが一致している
②自分の味方でいてくれる
③自分を否定したりしない
④自分を裏切らない
そんな風に思った時は、自分自身が相手に対して、そういう自分でいようとすること、つまり、①嘘をつかない、②相手の味方でいようとする、③相手を頭ごなしに否定しない、④相手を裏切らない・・そんな自分でいようとすることが信頼関係を築いてゆくためには大事なことなのかも知れません。
これは例えば、反対のことから、つまり、「こんな人は信頼できない」ということを考えてみて、その反対の自分でいようとすることでもいいかも知れません。
例えば、
①言っていることとやっていることが違う
②自分を裏切ったことがある
③自分の気持ちを考えてくれない
④自分に対して関心を持っていない
そんな風に思ったら、その反対のこと、つまり、
①言ったことは実行する。言葉より行動で示す
②相手を裏切らない
③相手の気持ちになろうとする
④相手に関心を持つ
といったことを実践してゆくことが、信頼関係を築くためには大切なことなのかも。
これはつまり、すごく簡単に言ってしまうと、(相手に対して)自分がして欲しいことをして、自分がして欲しくないことはしない・・ということで、そういうことを続けてゆくことが相手と信頼関係を築いてゆく上ではとても大事なことなのかなと思います。
自己開示をすると相手も心を開いてくれる
信頼関係を築くには、自己開示(じこかいじ)をすることが大切。
そんな風に言われることがあります。
自己開示とは、簡単に言うと「心を開くこと」です。
例えば、会話をしていて、相手が今、真剣に悩んでいることを打ち明けてくれたりすると、妙に親近感が湧いて、関係がぐっと近づくことがあるかも知れません。
または、その後に「実は私も・・」と自分も心を開こうとすることもあるかと思います。
人には、してもらったことを返そうとする、そんな心理があって、だから、心を開いてくれた相手に対しては、自分も心を開こうと思うのかも知れません。
そうやってお互いに心を開くことができた時、そこに信頼関係のようなものが生まれることがあります。
反対に自己開示がないと、相手が本当はどんな人で、どんなことを考えていて・・ということがわからないわけで、そういう人を信頼するのは難しいと思うんです。
だから、信頼関係を築くためには、自己開示をすることがどうしても必要で、そのためにはまず自分から心を開いてみる・・ということが大切なことなのかも知れません。
もっとも、自分が心を開いたからといって、相手も必ず心を開いてくれるとは限りませんが、少なくとも、自分から自己開示をすることで、相手は心を開きやすくなるように思います。
自分から信頼してみる
自分から相手を信じてみるということも、信頼関係を築く上では大切なことのように思います。
先ほども書きましたが、人には、してもらったことを返そうとする、そんな心理があります。
だから、自分のことを信じてくれた人を、自分も信じてみようと思うことがあるかも知れません。
信じてもらえるというのはまた、嬉しいことでもあると思うんですね。それは自分を受け入れてもらえたということでもあって、だから、嬉しかったりする。
「私はあなたを信じています」
そういう態度を示すことは、相手にとってはとても嬉しいことで、それが結果的には信頼を深めることにもつながってゆくように思います。
相手を相手のまま受け入れる
僕は、信頼関係を築く上で特に大切なことは、相手を相手のまま受け入れる・・ということだと思っています。
これは僕自身もそうですが、人は、自分を受け入れて欲しいと思っているもの、自分をわかって欲しいと思っているものだと思うんですね。
だから、自分を自分のまま、例えば、否定したり、それではダメだ、こうした方がいいなんて言わないで、「あなたのままでいいんだよ」と言ってもらえると嬉しかったりします。
そういう人と一緒にいるととても居心地がいいものですし、そういう人とは自然と距離も近づきます。
じゃあ、相手を相手のまま受け入れるとはどういうことかというと、それは簡単に言うと、相手という存在を尊重するということなのだと思います。
相手を尊重しようとした時、例えば、相手が大切にしているものを大切にしようと思ったり、相手が自分とは違う考え方でも、それが相手にとって大事なことなんだと思えたりします。
人はどうしても主観的に考えてしまうので、一つ間違うと自分の考えが全てのように思ってしまいますが、世の中には色々な人がいて、色々な考え方があって、その一つ一つがその人にとっては大事なことなんだと思うのです。
もっとも、その全部を尊重する必要はありませんが、ただ、信頼関係を築きたい相手の考え方を尊重するということが、相手を相手のまま受け入れるということにつながってゆくように思いますし、それが信頼関係を築いてゆく上ではとても大事なことのように思います。
信用を得ることを重ねていった先に信頼が生まれる
冒頭で「信用」と「信頼」の違いについてご紹介しましたが、信頼というのは恐らくすぐに得られるものではないと思うんです。
それは時間をかけて、育んでゆくものというか。
それに信頼というのは、信用を得るということを積み重ねていった結果として、得られるものだと思います。
急に手に入ったりはしないわけで、信頼関係を急いで手に入れようとすると、むしろ、信頼関係は崩れてしまったりします。
それは、信頼関係というのがさっと手に入れるものというより、少しづつ築いてゆくもの、深めてゆくものだからだと思います。
そういう意味で、信用を得るということを時間をかけて、何度も積み重ねてゆくということが、信頼してもらうためには必要なのだと思います。
人を信じるのが怖い時はどうしたらいいか?人を信じるとは?
信頼し合える関係を築きたいけど、人を信じるのがちょっと怖い、だから、少し躊躇してしまう・・そんなこともあるかも知れません。
そんな時はどうしたらいいでしょうか?
ところで、そもそも人を信じるとは、どういうことでしょうか?
それは相手や相手の何かを信じることだと、そう思うでしょうか?
僕は、相手を信じるというのは、自分を信じるようなものだと思っています。
それは、相手を信じようとした自分を信じるようなものなのかな、と。
いくら近い関係の人であっても、相手はあくまでも自分ではないわけで、自分とは違った考え方や価値観を持った存在なわけです。
だから、相手が本当は何を考えているかとか、相手が本当はどんな気持ちでいるかとか、相手のそういった本当のことというは、自分にはわからない。
「人が何を考えているかなんてことはわからない。」
これはある心理の専門家の方の言葉ですが、専門家でも何を考えているかはわからないわけです。
そんな風にわからない相手のことを信じるというのは難しいことだと思うんですね。
ただ、自分のことであればわかります。
自分がその相手を信じたいと思ったかどうか、自分がその相手を信頼できる人だと思ったかどうかは自分でわかっているはず。
だから、そう思った自分を信じてみる。
それなら、全ては自分の中で完結しています。
もし、万が一、自分が思ったことが間違っていたとしても、相手というより、自分を信じたわけですから、相手に裏切られたわけじゃない。
ただ、自分が間違っていただけだと、そう思えるかも知れません。
勿論、それでも悲しいことに変わりはないわけですが、ただ、相手に裏切られたというよりも、ただ、自分の考えが間違っていたんだと思えたら、悲しい気持ちにはなっても、立ち直れないとか、人を信じることが怖い・・・というところまでは行かずに済むのではないかなと思います。
もし、人を信じることができない、人を信じるのがちょっと怖いという時は、相手を信じようとするのではなくて、その相手を信じようとした「自分」を信じてみてもいいかも知れません。
そんな風にして、自分を信じるということは、人と信頼関係を築く上でもとても大切なことのように思います。